高校生から寄せられた悩みに対し、高校でスクールカウンセラーを務める公認心理師・臨床心理士の斯波涼介さんにアドバイスしてもらった。(安永美穂)
お悩み→クラスで孤立していると感じてつらい。
新しいクラスになったことで、仲の良い友達と離れてしまいました。新しいクラスでも気の合う友達はできたのですが、ふとした時に孤立してしまっている感じがします。クラスの中の「孤立してはいけない」というような固定概念を感じて焦ることもあり、ストレスの少ない人間関係をつくるにはどうすればよいのか困っています。(高校2年)
A.「いつも誰かと一緒でなければ」という思い込みを手放すことが大切。
「孤立してはいけない」というのが固定観念だという自覚ができているのは、とてもよいことだと思います。「孤立してしまっている」と感じたときは、「いつも誰かと一緒にいなければならないわけではない」というように思い直してみることが大切です。
ふとした時に孤立してしまっている感じがするとのことですが、「ふとした時」というのがどんな時なのかを思い出してみると、自分がどんなことに困っているのかが具体的に見えてくるかもしれません。お弁当を食べるときに一人で寂しいのでしょうか。体育で2人組をつくるときにペアを組む相手がいなくて困るのでしょうか。何が問題なのかを明確にすることができれば、ただ漠然と「孤立してしまっているかも」と感じているだけの状態のときよりも解決方法が見つかりやすくなるはずです。
斯波涼介さん
しば・りょうすけ 公認心理師・臨床心理士。公立高校のスクールカウンセラー、障害者施設やカウンセリングルームなどで相談や検査の仕事をしている。