全米大学選手権の100メートル決勝でサニブラウン・ハキーム(20)が、追い風0.8メートルの条件下、9秒97の日本新記録で3位となった(記録は追い風2.0メートルまで公認される)。桐生祥秀(日本生命)が2017年9月にマークした9秒98を0秒01更新、サニブラウンは5月に9秒99で走っており、日本人で初めて2度目の9秒台を出した。200メートル決勝は日本歴代2位の20秒08で3位だった。

高校時代のサニブラウンの活躍を伝える「高校生スポーツ」紙面。インターハイで優勝した直後に世界選手権に出場した

高校時代に世界選手権

同選手権は陸上王国・米国の大学王座を争う大会で、100メートルの優勝タイムは今季世界最高に並ぶ9秒86と高いレベルとなった。決勝でサニブラウンはやや出遅れたが、得意の中盤以降の加速で追い上げた。レース後、「もう少し速く走れたかな」と語った。父がガーナ人、母が日本人、幼い頃はサッカー少年だった。東京・城西高2年だった15年に16歳で世界選手権に日本史上最年少出場し、米国の強豪フロリダ大に進学。17年8月の世界選手権200メートルは大会史上最年少で決勝に進んだ。188センチの長身を生かした走りが特徴で、2冠に輝いた17年日本選手権ではストライドが最大246センチに達し、100メートルを44.7歩で駆け抜けた。

東京五輪の代表争い激化

五輪の花形種目、陸上100メートルで、日本男子はサニブラウン、桐生の他にも10秒00の記録を持つ山縣亮太(セイコー)、今季10秒04で走った小池祐貴(住友電工)らがおり、最大3枠となる東京五輪へ向けた代表争いが激化している。