文部科学省と大学入試センターは、現在の大学入試センター試験の後を継いで2021年1月から始める新たな試験「大学入学共通テスト」(新テスト)の実施の概要を公表した。

現在の高校2年生らが受ける初回の実施は2021年1月16日(土)・17日(日)。翌年以降も、1月13日以降の最初の土曜日と翌日の日曜日とする方針だ。

思考力や場面設定を重視

文部科学省は、新テストではセンター試験以上に思考力・表現力・判断力を重視した出題や、学校で学習する場面や、社会や生活と知識のかかわりを想定した出題を増やしたい考え。これまで2度の試行調査(プレテスト)を実施して出題方針を固めてきた。

国語・数学で記述式、試験時間延びる

新テストの出題教科・科目は当面はセンター試験とほぼ同様となる。試験時間や配点にかかわる変更点としては、「国語」で従来のマーク式に加えて記述式で解答する問題が大問1問(小問3問で構成)が出される。記述式の成績は、マーク式(200点)とは別に段階式で採点される。「数学Ⅰ」「数学Ⅰ・A」(どちらかを選択)でも記述式解答の問題が小問3問出される。配点はマーク式・記述式を合わせて100点となる。記述式の出題に伴い、「国語」の試験時間は従来より20分長い100分に延びる。「数学Ⅰ」「数学Ⅰ・数学A」の試験時間は10分長い70分に延びる。

英語はリスニングのウエートを大きく

「英語」は、センター試験では「筆記」(80分・200点)と「リスニング」(30分・50点)に分けて出題されていたが、大学入学共通テストでは「リーディング」(80分・100点)と「リスニング」(30分・100点)に分かれる。聞き取り試験のウエートを高めた形だが、各大学が配点のウエートを変えて選抜に使うことも可能だ。

出題範囲・科目選択・解答方法・試験時間・配点は

各科目の出題範囲・選択方法・解答方法・試験時間・配点は次の通り。試験の時間割は未公表だ。

大学入学共通テストの出題範囲・出題方法・配点・試験時間等(大学入試センターの資料より)
大学入学共通テストの出題範囲・出題方法・配点・試験時間等(大学入試センターの資料より)

2025年からさらに改革

文部科学省は、新たな学習指導要領・教科書に基づいて学ぶ2025年に実施する大学入学共通テストからは出題科目・内容・形式をさらに見直す考えで、現在検討を進めている。