主催者教育の模擬授業をした出石琴美さん

鹿児島県議会の女性議員は51人中4人と少なく(2018年時点)、女性の意見が反映されにくい。出石琴美さん(鹿児島・甲南高校3年)は昨年度、女性議員を増やすために、主権者教育で高校生の意識を変えられるかを研究した。

高校生の政治参加に関する意識を調査するため、同学年を対象に「主権者教育の授業を受けたことがあるか」「選挙に立候補するための条件を知っているか」についてアンケートを実施。どちらの設問も否定の回答が上回り、中学校・高校まで主権者教育を意識した授業が十分ではなく、生徒の政治への関心は低いと分かった。そこで鹿児島県、鹿児島市の女性議員にアンケートやインタビューを行い、議員の仕事内容ややりがいを聞いた。

講師になり模擬授業

そこで、出石さん自らが講師となり、同校1年生1クラスで女性議員の重要性を伝える主権者教育の模擬授業を行った。

鹿児島県、鹿児島市の女性議員にインタビューなどをした結果を発表。市民生活へ直結する問題を改善できるといった議員のやりがい、仕事内容、女性議員だからこそ気付く暮らしの生の声を届ける役割を話した。

授業の前後にアンケートをしたところ「政治に興味がある」は3パーセントから95パーセントに、「議員になりたいか」は0パーセントから20パーセントに増えた。「議員を身近に感じられれば政治についての関心が高まり、女性議員が増えるきっかけになる」と話した。

「政治や女性議員の仕事を伝えるDVDを製作し、主権者教育の教材として全国に広めたい。研修旅行で訪れたイギリスのように日本も高校生が政治について活発に意見を交わす国になるように力を尽くしたい」 (木和田志乃)

SGH甲子園でポスター発表をする出石さん