10月1日、岸田内閣が総辞職し、岸田文雄首相は政権運営の幕を閉じた。戦後8番目の長さとなる「1094日」の政治について、高校生世代はどう評価したか。高校生記者に振り返ってもらった。

物価高対策、不十分では?

「物価上昇、円安などに対し国民を大きくサポートする対策がなかったことで、自分たちの将来が心配になった」(エリース・1年)と、物価高対策への不満があがった。実際には電気・ガス補助金の開始、ガソリン価格を抑えるための補助金など物価高対策は行われていたが、高校生が身近な生活で実感できるものとしてのサポートは感じられなかったようだ。

高校生は岸田内閣の政治をどう見つめていたか

「子供が3人以上いる多子世帯は大学の授業料が無償になる」少子化対策の決定が印象に残った人もいた。「私は2人姉妹なので、無償の対象にはならずモヤモヤ。物価高で子の数に関わらず苦労しているのに、3人以上の世帯だけが無償なのは不平等では」(ティアラ・2年)

国防の強化、諸外国との連携強化に評価の声

G7広島サミットを開催し経済安保に関する共同声明を発出、韓国との「シャトル外交」の継続、NATO首脳会合への出席など、「外交面」の成果を評価する声があがった。「外交により良い関係を築いていったことは良い評価がつけられる」(ゆお・1年)

国防や諸外国との連携の強化に加え、株価の押し上げや減税の実施が優れていたという意見も。「この短期間の内で、国のリーダーとして行なった政策としては十分すぎる」(シュロ・1年)

大変な時期にしては「頑張っていた」

首相に就任したのは、2021年10月。コロナ禍はまだ収まっておらず、翌22年2月にはロシアのウクライナ侵攻、選挙期間中の安倍元首相の銃撃事件など、問題が山積みだった。「大変なことが重なって批判も多かったけれど、大きな問題がなくて良かった」(しぃ・1年)と評価する声もあった。

岸田氏は党派閥の政治資金問題などでの国民の不信を理由に、総裁選に出馬しなかった。「政治とカネを巡る問題もあったが、岸田派閥を解散させたり政党内改革を進んで頑張られていたなと感じた」(エミリー・3年)と対応に好印象を持つ人もいた一方、「岸田首相のせいではないと思うが、政治とカネのインパクトが強い。旧統一協会の問題もあまりスッキリした解決はされておらず、短い任期ではあるものの色々中途半端に感じた」(つな缶・3年)と厳しい目で見つめる人もいた。