体育祭や文化祭、球技大会など、クラスで一つのことに取り組むとき、部活でまとまるとき、どうすればうまくいくのだろうか。相手と良い関係を築ける言葉かけのコツを知ることが、成功の鍵になる。「伝わるコミュニケーション」についての研修・講演を多数手がけている戸田久実さんに、アドバイスしてもらった。(安永美穂)

Q. 部活の顧問や先輩がえこひいきをするのが不快です。どう対応すればよいですか?

A. 解決できる問題なのかどうかを見極め、時には割り切りも必要。

 

人間である以上、えこひいきを完全になくすことは難しいので、この場合は「自分が行動することで解決できる問題なのか、変えられないことなのか」を見極めましょう。

文句として伝わらないように言い方に気を付けて

解決できる可能性があるなら、「私には、先生が○○さんだけに『よくやった!』と声をかけるのが〇〇さんをひいきしているように見えるんです。次からは他の部員にも声をかけていただくことはできますか?」というように、単なる文句ととらえられないような言い方で伝えてみてもよいでしょう。

このときのポイントは、「ひいきしている」と決めつけるのではなく、「自分にはひいきしているように見える」と事実だけを伝える言い方をすること。「先生、なんで○○さんばかりひいきするんですか? おかしいですよね?」と、自分の主観に基づいて相手を責める言い方をすると、「ひいきなんてしてない!」と否定されて会話を打ち切られてしまうこともあるので注意しましょう。

変えられそうにないなら「割り切る」

自分が行動しても変えられそうにない場合は、もんもんと考え続けていてもストレスがたまるだけなので、「この先生がこういう態度をとるのは仕方ない」と割り切ることも大切です。

 

戸田久実さん

とだ・くみ アドット・コミュニケーション代表取締役。一般社団法人日本アンガーマネジメント協会理事。講師歴27年。『〈イラスト&図解〉コミュニケーション大百科』(かんき出版、税抜き1400円)など著書多数。