苦しい接戦を制して優勝した九州文化学園

バレーボール女子決勝が8月1日、舞洲アリーナ(大阪)で行われ、九州文化学園(長崎)が文京学院大女(東京)を3−1で下し、8年ぶり5度目の優勝に輝いた。
(文・小野哲史、写真・幡原裕治)

苦しい1年を乗り越えて

九州文化学園は2013年度までの16年間、全国大会で毎年ベスト4以上に入り、計8回の優勝を積み重ねてきた強豪。しかし、昨年度は春高バレーの3回戦進出が最高成績で、名門の輝きは影を潜めたかに見えた。

決勝点を決め、優勝をたぐり寄せたのは、昨年度の悔しさを知るエースの中島未来(3年)だった。中島は「1年間負け続けて、(監督の)井上博明先生から『なぜ負けたのか、どこが駄目だったのか』を一人一人指摘され、(今は)みんなで気づき、お互いに指摘できるようになりました」と振り返る。

厳しい試合を通じて成長

今大会の九州文化学園は、盤石の強さで頂点まで駆け上がったわけではない。決勝トーナメントの初戦、準々決勝、準決勝はフルセットにもつれ込む接戦。決勝も第1セットを相手に奪われる苦しい展開だったが、厳しい戦いを乗り越えてきた経験が選手たちをたくましく成長させていた。主将の馬場七海(3年)は「大事なのは技術や身長の高さではなく、気持ちの強さ。1セットを取られても絶対に勝てるという思いを、みんなが持っていました」と胸を張る。

「人にすがったり、逃げたりするのではなく、『自分がこうするんだ』という気持ちでプレーする。『九文のスタイル』を少しは取り戻せたと思います」と井上監督は話した。

TEAM DATA
 1980年創部。部員32人(3年生10人、2年生11人、1年生11人)。部訓は「常に今に全力を尽くせ!」。Vプレミアリーグ東レアローズ所属の高田ありさや峯村沙紀を輩出している。全国大会の優勝回数は15回。