大学で学ぶ歴史は高校の歴史とどう違うの? 高校でも多くの事柄を学んで覚えるけれど、大学ではもっと詳しい事実を学んで覚えなければいけないの?高校生に向けて大阪大学文学部の岡田裕成教授に、文学部についての疑問に答えてもらった。(木和田志乃)

Q.高校で学ぶ文学や歴史と、大学で学ぶ内容の違いは?

A.大学では学生自身が問いを見つけて研究する

受験を前提とした高校の勉強では、答えのない問いは試験問題に普通は出ないですよね。国語で文学作品が課題になっている場合も、何らかの答えが導ける問いがあって、その想定に近い答えが書けたら高得点が取れます。答えの設定された問いを解く、既に答えの分かっていることを学ぶ、というのが高校での学びだと思います。

それに対し、容易に答えの見いだせないオリジナルな問い、さらには誰も問うたことのない問題を自分で探し出して取り組むのが大学での学びです。それが「研究」です。大学では学部生であっても、そういう学びが期待されています。歴史の話に戻ると「歴史は暗記物」の対極にあるのが大学での学びにあります。

 岡田裕成教授(大阪大学大学院文学研究科教授)

 
おかだ・ひろしげ 大阪大学文学部卒。大阪大学文学研究科博士後期課程退学。文学修士。専門はスペイン・ラテンアメリカ美術。著書に『ラテンアメリカ 越境する美術』(筑摩書房)など。