高校生が学校対抗で数学や理科などの知識を競う「第8回科学の甲子園」(科学技術振興機構主催)全国大会が2019年3月15日から18日まで埼玉県で行われ、海陽中等教育学校(愛知)が3年ぶり2度目の総合優勝に輝いた。

同一校の2度目の総合優勝は大会初の快挙だ

つまずいたらフォロー

2年連続で大会に出場したキャプテンの兒玉太陽君(2年)を中心に、希望制で集まった8人で臨んだ。同校は全寮制。メンバー全員が長時間、一緒に大会の勉強に打ち込める環境。兒玉君は、「そこで培った友情や協力し合う気持ちが優勝につながった」と振り返る。

化学に秀でる桜田晃太郎君(2年)、物理に長ける平石雄大君(1年)と、各科目のスペシャリストを揃ったのがチームの特色だ。「大会に向けて、まずはメンバー各自が夢中になれる、得意な科目をより伸ばす勉強に励みました」(田口仁君・2年)

県大会前の10月頃から、過去問題を解いたり、情報分野の問題に対応するためのプログラミングの勉強に取り組んだりした。また、全国大会出場常連校と行った合同練習会は、ライバル校への対抗心を奮い立たせる、大きな刺激になったという。

「それぞれの得意な科目に加えて、各自が他の分野を一つ勉強したんです。得意科目の問題でつまずいた時にフォローできる体制を整えていました」(古舘勇人君・1年)

こうした積み重ねが実り、全国大会本番では、筆記競技で1位、化学の実技競技で1位を見事達成し、総合優勝を大きく引き寄せた。総合優勝を成し遂げた同校のメンバーは、5月に米国で開催される「2019サイエンス・オリンピアド」に招待校として参加する。(文・写真 中田宗孝)=学年は大会時