新しい環境での出会いが増えるこの時期、友達関係のことで悩んだら、どう考えて対処していけば良いのだろうか。「認知行動療法」の専門家である千葉大学大学院医学研究院の清水栄司教授に聞いた。(安永美穂)

Q. 仲良しの友達グループに入ることができず、教室を移動するときにひとりぼっちで寂しいです。

A. 「おひとりさま」の良い面にも目を向けてみよう。

グループで過ごせば楽しいこともある反面、グループ内の人間関係に気を遣って疲れることもあります。ですから、必ずしも「グループに入らなければいけない」というわけではなく、「敢えて一人で過ごす」という選択肢があってもよいのです。

現在は「おひとりさま」という言葉や生き方が広く社会に浸透していることからもわかるように、「一人で行動するのはかっこいい」「一人で過ごす方がリラックスできる」という価値観を持つ人も少なからずいます。

「休み時間は自分のペースで過ごせてホッとする」というように、一人で過ごすことの良い面に目を向けてみると、「ひとりぼっちで寂しい」という思いにとらわれすぎずにすむのではないでしょうか。

 
清水栄司教授
しみず・えいじ 千葉大学大学院医学研究院認知行動生理学教授。精神科医として、主に不安症やうつ病などの治療を担当。『ぐるぐる考えてしまう心のクセのなおし方』(大和書房、税抜1400円)など著書多数