星城(愛知)男子バレーボール部が4年連続12度目の全国高校総体(インターハイ)出場を決めた。昨年はインターハイ、国体、全日本高校選手権(春高バレー)の3冠を制覇した強豪が、今年度も全てのタイトルを狙う。(文・写真 田中夕子)
ウオーミングアップを終えると、部員たちがコートの両面でレシーブ練習を始めた。特別な練習ではないが、星城の場合は少し違う。監督やコーチではなく、選手がボールを打ち込むのだ。エースで主将の石川祐希(3年)=愛知・矢作中出身=は「厳しくも甘くもできるけど、そこでどれだけお互いに厳しくできるかが強さになる」と話す。自主性を重んじながらも、練習に妥協は一切ない。
セッターの中根聡太(3年)=同中出身=は、「攻撃はいいが、守備が課題」と言う。プレミアリーグ勢と大学・高校のトップチームによる5月の黒鷲旗では、プロのサーブに手も足も出なかった。リベロの川口太一(3年)=愛知・久方中出身=は「レシーブ力で負けた」と振り返る。
力の差はあって当然だ。それでも竹内裕幸監督(38)は「もっと高いレベルを目指してほしい」と部員を鼓舞する。星城の練習は、高校で勝つためだけではなく、将来世界で戦える選手になるための練習でもある。プロに負けて以降、部員たちはレシーブ練習に多くの時間を割くようになった。竹内監督は「苦手なコースにわざと打つなど、練習の中で課題克復のための工夫をするようになった」と話す。
5月25日のインターハイ愛知県予選では、決勝リーグを全勝で制した。今季は全国の強豪校が「打倒星城」を掲げて向かってくる。プレッシャーがないと言えば嘘になるが、武智洸史(3年)=愛媛・雄新中出身=は「いつも通り、一つ一つ次につながる戦いができれば、勝てる自信がある」と力強く宣言。“最強軍団”はまだまだ進化を続ける。