ひろせ・すず 1998年6月19日、静岡県生まれ。2013年、ドラマ「幽かな彼女」で女優デビュー。主な出演作は、映画「ちはやふる」シリーズ、ドラマ「anone」など。映画「Last Letter」「一度死んでみた(仮)」(共に20年公開予定)の出演を控える。

100作目となるNHKの連続テレビ小説「なつぞら」のヒロインに、広瀬すずさんが抜てきされた。女優として10代のころからさまざまな難しい役に挑戦し続けてきた訳を高校生記者がインタビュー。進路に悩んでいる高校生たちにもエールを送ってもらった。(取材・七條みちる、構成・中田宗孝、撮影・玉井幹郎)

乗馬を猛特訓

――「なつぞら」では、ヒロインの10代から大人までをどう演じていますか。

ヒロインの幼い頃を演じる子役さんのお芝居を映像で見て、「小さい時はこんなことを思っていたんだな」と心に留めて演技に生かしています。そして、ヒロインと私が一体となって、撮影現場で自分が感じたことがヒロインのナチュラルな感情として表れるように意識しています。

――猛特訓した乗馬シーンは?

東京の乗馬クラブで馬の乗り降り、進み方や止まり方を練習しました。乗馬シーンを撮影した北海道では、東京と馬の扱い方が若干違って、人と馬がまるで同志のような関係でした。森の中を馬に乗って気持ちよく駆け抜けて、すごく楽しかった!

できないままが許せない

――高校生のころから難しい役柄に挑み続ける印象があります。

根が負けず嫌いな性格なんです。10代の時には、かるたやチアダンスなど、演技以外の練習を必要とする作品に出演しましたが、自分がそれらを完璧にできるようになるまでやらなきゃ気が済まない。本当にそれだけなんです。挑戦というよりは、出来ないままでいる自分が許せないんです。

――挑戦する中で、つらさや大変さを感じるときはどうしていますか。

「……しんどいな」と思う瞬間はもちろんあります。でも、その時々の誘惑に負けて楽をしても、結局は自分自身が後悔する。この苦しみ、我慢の連続の先には、今よりも絶対に成長できている自分がいるとイメージしながら、乗り越えるようにしています。

進路、いっぱい悩んで

――私は希望の進路が2つあり、どちらを選ぶか悩んでいます。

私は、進路に悩む前の中学2年生から女優を始めました。普段の学校生活よりも、「学生役」を通じて青春を味わう方が多く、みなさんのように(進路や夢に)悩みに悩む時間が、私にはありませんでした。悩むということは、とても貴重な体験だと感じます。

自分は何に興味があるのか。好奇心を強く動かされるのはどんなことか。どうか、いっぱい悩んでください! 私の友達の中には、大学生になってから別の道を見つけて新たな環境で頑張っている人もいます。大学や専門学校に進んでからでも、何度だって新しい挑戦ができますよ。

【略歴】

ひろせ・すず

1998年6月19日、静岡県生まれ。2013年、ドラマ「幽かな彼女」で女優デビュー。主な出演作は、映画「ちはやふる」シリーズ、ドラマ「anone」など。映画「Last Letter」、「一度死んでみた」(共に20年公開予定)の出演を控える。

【番組紹介】

連続テレビ小説「なつぞら」

戦争で両親を亡くした奥原なつ(広瀬すず)は、父の戦友に引き取られることに。北海道・十勝の大自然に囲まれた酪農一家と暮らすうちに、彼女は本来の明るさを取り戻す。やがてなつは、当時「漫画映画」と呼ばれたアニメーションの世界に挑戦する。

NHK総合、毎週月~土曜午前8時~8時15分などで放送中。