高校生の勉強のパートナーといえば、電子辞書。新1年生が購入する際は、どのような点に注意したらいいのだろうか。「ビックロ ビックカメラ新宿東口店」の電子辞書コーナー担当の笠倉さんに、メーカー別の特徴と、2019年度のオススメ商品を教えてもらった。(文・写真 山川俊行)

ビックロ ビックカメラ新宿東口店 電子辞書コーナー担当 笠原理絵さん

 高校生向け電子辞書の特長は、大学受験を見据えた幅広い学習サポート機能にあります。二大電子辞書メーカーのシャープ、カシオともに今年は、2020年度から始まる「大学入学共通テスト」をはじめとする大学入試改革に対応したモデルに、特に力を入れていますね。どちらも英語4技能(読む、書く、聞く、話す)の学習に役立つ英語辞典や練習問題が充実しており、横断的な検索もしやすくなっています。

とはいっても、メーカーによって機能や辞典の種類などに違いはあるんです。そこで今日は、当店で人気を二分しているシャープの「PW-SS6」と、カシオの「XD-SR4900」の2商品のオススメポイントをご紹介します。

シャープ「PW-SS6」(34,260円/税別)発音機能に優れ、直感的な操作性が魅力

 

「PW-SS6」の最大の特長は、充実した発音機能です。表示された例文を専用のタッチペンでなぞるだけで、ネーティブの発音で英語を読み上げてくれます。従来の電子辞書はスピーカーマークのついた単語しか発音に対応していませんでしたが、この商品は収録されている例文全てを読み上げてくれます。ほかにも、「リーダーズ英和辞典 第3版」やTOEIC、英検対策用の問題集も収録しており、英語を重点的に学びたい高校生にはうってつけの電子辞書といえます。

「PW-SS6」は、操作性の高さも一線を画します。画面が360度回転する仕様になっているので、タブレット感覚で誰でも簡単に操作が可能です。専用のジャックにイヤホンを差し込めば、通学の行き帰りの電車の中でもリスニングの訓練ができるんです。

 カシオ「XD-SR4900」(40,020円/税別) 広辞苑第七版を収録、多角的な学習をサポート

 

一方のカシオは英語の活用辞典に力を入れています。特にオススメなのが「オーレックス 和英辞典」の「イデアの泉」という機能です。抽象的な表現、例えば「使う」や「うれしい」などの日本語を入力すると、似たようなニュアンスをもつ英単語が用例とともに一覧で表示してくれます。辞書内に点在する単語をひとつの観念(イデア)のもとに集約してくれるので、アウトプットの幅が広がるようになります。

また「広辞苑 第七版」を収録しているのは、高校生向けモデルの中ではこの商品だけです。「大辞泉」「大辞林」と比べると、語彙数ではあまり差はありませんが、広辞苑は2018年1月出版ということで、新語数に強いという特長があります。

極めつきは、履歴表示機能。同じ言葉を複数回調べることで、履歴表示の一覧上に参照回数が表示されます。何回参照した言葉なのかが一目でわかるので、復習にも役立ちますよ。

学びたい分野に応じてコンテンツの追加が可能

 

シャープもカシオも、必要に応じてコンテンツをオンライン上で追加購入できるシステムがあります。ドイツ語やフランス語といった第二外国語の辞典があるのは両社で共通しているんですが、カシオのほうが理科系の学習コンテンツなどより専門的なコンテンツを揃えています。高校を卒業したら終わりではなく、大学生や社会人になって学習する範囲や内容が変わっても使うことができます。

今回紹介してもらった2機種はシリーズ商品で、搭載辞書数が少ない分、若干価格が抑えられた同型のスタンダードモデルもあるそうだ。どの電子辞書を購入しようか迷っているという人は、ビックカメラの店員さんに話を聞きに行ってみてはいかがだろうか。製品仕様や収録コンテンツなどの詳しい情報は、ビックカメラの公式オンラインショップからチェックできる(※価格は2019年3月19日時点)。