大学生が使うお金は増えているが、保護者からの仕送りは減少し、学生の収入に占めるアルバイトの割合が増えている―。全国大学生活協同組合連合会(全国大学生協連)が国公私立大学の学生にとったアンケート調査でそんな実態が浮かび上がった。
調査は、全国大学生協連が毎年実施している「第58回学生生活実態調査」。2018年秋に調査し、30大学の10980人の回答を集計した。
自宅生の収入は平均6万7750円
調査結果によると、自宅から通学している学生の収入の平均額は6万7750円で、6年連続で増加した。収入の多くを占めるのがアルバイトで、平均4万920円。アルバイト収入は7年連続で増え、比較できる1970年以降で最も高額になった。一方、家庭かの小遣いは平均1万2780円で、5年連続で減った。奨学金は平均1万1060円で、前年よりは20円増えたが、収入に占める割合は16.3%で、最も高かった2011年の21.1%に比べて減少している。支出の平均額は6万7200円で4年連続で増え、食費(1万4370円)や教養娯楽費(1万1940円)などが占めた。
下宿生の収入は平均12万7280円
一方、アパートなどから通学する下宿生の収入の平均額は、12万7280円で、前年から3390円増えた。仕送りは平均7万1500円で、前年から1480円減った。2010年以降、ゆるやかに減る傾向にあるという。下宿生のアルバイト収入は3万1670円で、3年連続で増え、1970年以降の最高額だった。奨学金は2万530円で、前年からやや増えたものの、5年前よりは3520円減っており、収入に占める割合も16.1%と4年連続で減った。支出の平均額は12万6100円で、食費(2万6230円)や教養娯楽費(1万1520円)などが占めた。
アルバイトのプラス面、マイナス面は
調査を行った全国大学生協連の担当者は「この2、3年はアルバイトを探すのに困らない状況だった。一方で、奨学金には頼りたくない、仕送りも増えないという結果、学生がアルバイトをしようとなっている」と分析している。全国大学生協連の学生委員長を務める小島望さんは「大学生に聞くと、アルバイトは、社会やマナーを知るというプラスの面もあるが、授業をさぼったり、やりすぎによるマイナス面もある」と話した。