法学部に興味があるけれど、実際にどんなことを学ぶのかイメージが湧かない…。そんな高校生に向けて、中央大学法学部の遠藤研一郎教授に、法学部についての疑問に答えてもらった。(安永美穂)

Q.法学部の勉強は法律をただひたすら暗記するというイメージがありますが、本当ですか?

A.条文の暗記よりも、法律をどのように使うかを考えることが重要。

法学部に入ったら、たくさんの法律を暗記しなければならないと思っているのであれば、それは誤解です。重要な法律を覚える機会はもちろんありますが、覚えていない法律についてはその都度、調べていけばよいので、全てを丸暗記する必要はありません。むしろ、法学部では「法律を覚える」ことよりも、「どんな法律があればよいのか、法律をどう使えばよいのかを考える」ことの方が重視されると言えるでしょう。

例えば、事例研究では、実際にあった事件をもとに、どの法律をどのように適用して解決していけばよいのかを検討していきます。時代に合った法律のあり方を考えるには、法律についての知識を学ぶだけではなく、社会で起きているさまざまな問題に関心を持つことも重要です。

法学部での学びとは、単なる言葉としての条文に向き合うのではなく、社会で見過ごされているような問題点を発見し、その解決方法を考えること。知的好奇心が旺盛な人にとっては、得るものが多いのではないでしょうか。

 

遠藤研一郎教授(中央大学法学部教授)

えんどう・けんいちろう 中央大学附属高校(東京)卒業。中央大学法学部卒業。中央大学大学院法学研究科博士前期課程修了。法学修士。共著「高校生からの法学入門」(中央大学出版部)では、恋愛など身近な話題を法学の視点から解説。