法学部に興味があるけれど、実際にどんなことを学ぶのかイメージが湧かない…。そんな高校生に向けて、中央大学法学部の遠藤研一郎教授に、法学部についての疑問に答えてもらった。(安永美穂)
Q. 弁護士や検察官、裁判官を目指していない人でも、法学部を志望してよいのでしょうか?
A.法律家以外の道へ進む人も多数。法的なものの考え方はどの職業でも強みに。
法学部は、法律家を目指す人のためだけの学部ではありません。世の中にどのようなルールが必要かを考え、学生同士で話し合う中で身につく論理的思考力や相手を説得する力は、将来どのような仕事に就いたとしても生かすことができます。そのため、法学部の卒業生の進路は多岐にわたり、弁護士・検察官・裁判官といった法曹をめざす人のほか、公務員になる人や、金融機関・メーカー・商社などをはじめとする民間企業に就職する人も大勢います。
法学部はさまざまな進路に対応できることから「つぶしがきく」と言われることも多く、目的意識をしっかりもって学べば、社会に出て生かせる力を身につけることができる学部だと言えるでしょう。
なお、試験科目が法学部で履修できる科目と重なっていることもあり、司法書士、行政書士、社会保険労務士、税理士、宅地建物取引士といった国家資格を目指す人もいます。ただ、これらの資格は取得できさえすればよいというわけではありません。資格を目指す場合は、その資格を生かしてどのように働くのかというところまで考えておくことをおすすめします。
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遠藤研一郎教授(中央大学法学部教授)
えんどう・けんいちろう 中央大学附属高校(東京)卒業。中央大学法学部卒業。中央大学大学院法学研究科博士前期課程修了。法学修士。共著「高校生からの法学入門」(中央大学出版部)では、恋愛など身近な話題を法学の視点から解説。