みせす・ぐりーん・あっぷる 2013年結成。大森元貴(ボーカル&ギター)、若井滉斗(ギター)、山中綾華(ドラム)、藤澤涼架(キーボード)、髙野清宗(ベース)の5人組バンド。これまで3枚のアルバムをリリース。TOKYO FM「SCHOOL OF LOCK!」内の「ミセスLOCKS!」(毎週水曜午後11時5分頃)にレギュラー出演中。
前列左から山中さん、大森さん、後列左から髙野さん、藤澤さん、若井さん

 Mrs. GREEN APPLEは、5人組バンド。10代をはじめ幅広い層から人気を博している。バンドを結成した高校時代の思い出や、楽曲に込めた思いを高校生記者が聞いた。
(取材・菅野吏紗、中村友里、構成・中田宗孝、撮影・玉井幹郎)

忘れられない大きな拍手

大森元貴さん(ボーカル&ギター)と幼なじみの若井滉斗さん(ギター)が中心となり、高校2年の時に結成した。その後、メンバーに加入したキーボードの藤澤涼架さんは高校時代、音楽科に所属し、フルートの練習に明け暮れていた。「音楽科の演奏会に向けて、僕のフルートに合わせるピアノの伴奏をクラスメートにお願いしたんです。単なる同級生ではなく、人前で演奏する〝奏者同士〟として音楽談義を交わしたことが今に生きていると感じます」

ドラムの山中綾華さんは、軽音楽部のドラマーとして高校3年間を過ごした。部活での思い出として、部内でバンドを組み、学校見学会で演奏したことを挙げる。「スポットライトが当たる中、懸命にドラムをたたきました。演奏後、お客さんから大きな拍手をいただけた瞬間が忘れられないです」

自分の感じ方を大事に

メンバーから高校生へのメッセージは「自分の気持ちに正直に、素直であってほしい」。山中さんは「私は高校生だった時、友達の意見に何となく同意したり流されたりして、すごく後悔した経験があります」と振り返る。「そんなときこそ、自分に正直に、素直でいたいよね」と大森さん。「皆さんの当たり前の高校生活は、あっという間に過ぎてしまうのだから。誰がどう言ったからとかではなく、自分がどう感じたかが大事だと思う」

全力の人を肯定したい

全楽曲の作詞・作曲・編曲は大森さんが担当する。最新シングル「僕のこと」は、今年度の第97回全国高校サッカー選手権大会の応援歌として書き下ろされたもの。大森さんは「ノンフィクションの勝負事に対して曲を作ることに大きな責任を感じた」と話す。「スポーツでは必ず勝者と敗者がいる。夢かなう人もいれば、そうでない人も……。でも、何かに全力になって自分を懸ける全ての人を肯定できるような曲にしたい、という思いを込めて作りました」

カップリング曲の「灯火」は、大森さんが高3の時に作詞作曲した疾走感あふれるナンバーだ。「いろんな楽器が絡み合うバンド向けの楽曲なので、高校生のバンドマンも楽しく演奏できますよ」

取材後記

辛いことも財産 前向きに捉えたい

 取材中は笑いがあったりして、とても楽しかったです。なかでも高校生へのメッセージがとても印象に残っています。ボーカル・ギターの大森さんとベースの髙野さんは「楽しむことが一番だ」「一つ一つの行事を楽しんで」と伝えてくれました。

 その言葉を聞いた時、なにげなく過ごしてきた高校生活もたったの1年弱しか残っていないことを実感しました。そして、これからは残りの高校生活を全力で楽しみ、素敵な思い出にしたいと思いました。

 また、キーボードの藤澤さんは「学生のときは楽しいこと以外の不安なこと、嫌なことがある。それに向き合った時間が一番大事だ」と話してくれました。

 辛いことも全て自分の大きな財産になってくれる、と前向きに物事を捉えることができるようになりたいです。(中村友里)

素直に楽しむ これからも意識したい

 私は登下校などの日常や辛いことがあったとき、あらゆる場面で彼らの音楽を聴き、高校で組んでいるバンドで曲をコピーしていました。高校生活の多くの時間を彼らの音楽とともに過ごしていたので、高校生記者としてお会いし貴重なお話を聞くことができ幸せでした。

 特に胸を打たれた言葉が2つあります。1つ目は、彼らは音楽活動について「どう見えたかよりどう音を鳴らすか」を意識して活動をしていると話していたことです。活動の幅が広がっても、自分たちの使命や大切にしたいことを常に意識する彼らだからこそ奏でられる音楽があり、大森さんだからこそ描ける歌詞があると感じました。

 2つ目は、「高校時代は自分に嘘をつかず素直に楽しんで」というエールの言葉です。簡単なようで実はとても難しい。彼らもその困難を経験していて、歌詞にもあらわれています。このエールは高校時代だけでなくこれから大学生、社会人になっても意識していこうと強く思いました。(菅野吏紗)

8th シングル「僕のこと」 発売中

初回限定盤(CD+DVD) 1,700円(税別)

1 僕のこと 2 灯火 3 Folktale

 DVDには「僕のこと」のミュージックビデオや、昨年11月の札幌ペニーレーン24でのツアー初日ライブ映像などを収録。「レコーディング前に、楽器隊のメンバーで、大森の書いた歌詞の読み合わせをするんです。『僕のこと』はリアルな感情描写が心に響いたなど、各自が感じた情景を話し合い、楽曲のイメージを共有させてからバンドの音で表現します」(ベースの髙野清宗さん)