京都大学は12月14日、国が進める大学入試改革が本格化する2021年度学部一般入試(2020年度に実施)の方針を明らかにした。出願者には一定の英語運用能力を求めるが、その確認方法として、民間試験の成績のほか、出身高校が提出する書類も認める考えだ。

文部科学省が進める大学入試改革では、国が認定する英語の民間試験(外部試験)の導入を各大学に促し、国立大学協会(国大協)も民間試験の成績提出を一般入試の全受験生に課す指針を定めた。だが、東大や名古屋大が、英語力の確認方法として民間試験を必須とせず調査書での確認も認めるなど、大学ごとに対応が分かれている。

京都大は、センター試験の後継である大学入学共通テストで英語を選択した出願者には外国語学習の国際規格「CEFR」(欧州言語共通参照枠)の「A2レベル以上」の英語力を求める。「簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄について、単純で直接的な情報交換に応じることができる」などとするレベルだ。その確認方法として、民間試験の成績の提出のほか、在学(または卒業した)高校が「A2レベル以上」の能力が出願者に備わっていると認める書類を提出する方法も示した。また、出願者が医学上の理由で民間試験を受けられないという診断書があれば、英語力の確認は不要という。

「大学入学共通テスト」の国語ではマーク式(200点満点)のほかに記述式(段階別評価)が課されるが、京都大は記述式の段階別評価を点数化してマーク式問題の点数とあわせて国語の成績とする方針。ただ、具体的な合算方法は大学入試センターが段階別評価の方針を決めた後で検討する考えだ。