白石光(千葉・秀明八千代3年)は、8月の全国高校総体(インターハイ)のテニスで、学校対抗と個人戦のシングルス、ダブルスを制し、3冠に輝いた。だが、栄冠を手にしても立ち止まらない。数々の海外遠征で上には上がいることを知り「世界の舞台で勝ちたい」からだ。 (文・写真 小野哲史)

粘り強いプレーで「鉄壁の守備」とも称される白石。最近は攻撃力も増している

インターハイの学校対抗は「後輩や応援してくれるみんなを優勝させたかった」という思いを力に変えた。ダブルスは気心の知れた坂川広樹(3年)と組んでプレーできた。だが、1人で戦うシングルスは重圧があったという。「格上の相手が多い海外やシニアの大会に比べ、高校生の大会は『勝って当然』と見られる。暑さも少し苦手なので、かなりきつかったです」。それでも、開催地の地元選手との4回戦を苦戦の末に乗り切ったことが白石を勢いづけた。

一球でも多く返す

幼いころから通っているクラブが現在も練習拠点だ。「自分は試合が好き。練習はあまり好きじゃない」と笑うが、もちろん練習をいいかげんに取り組んだりはしない。持ち味は「いろいろな球種で一球でも多く返して、相手が嫌がるしつこいプレー」。ただ、海外の試合で「守っているだけでは勝てない」と実感したことから、攻めのプレーも意識的に磨くようにしたという。

一方、練習で根を詰めすぎないことも心掛けている。シーズン中は、高いレベルの選手が参加する大会が毎週のように各地で行われる。「常に全力でやっていたら気持ちも体力も続かない」からだ。白石の場合、個人戦で優勝した3月の全国高校選抜では、大会開幕の前日までタイとマレーシアを3週間も遠征していた。「もちろん追い込まなければいけない時期は追い込みますが、抜くところは抜く。テニスを楽しんで続けるには、メリハリをつけることが大事だと思っています」

卒業後はプロに

卒業後は大学で学び、プロの舞台でも戦っていく。「最終的な目標はグランドスラムで活躍すること。そのためには国内外の大会に出て、ポイントを獲得していかないといけません」

Q&A

― 好きな食べ物、音楽はある?

リンゴやミカンなど、普通の果物が好きです。音楽は、邦楽も洋楽もはやっているものを全般的に聴いています。

― 競技前、緊張しないようにやっていることはある?

よく緊張しますが、試合直前まで友達と話しています。それでリラックスできます。

― オフの日は何をしている?

結構遊びに行きます。最近もカラオケやボウリングで遊びました。あとはお笑いが好きなので、録画しておいた番組やYouTubeをよく見ています。

 

【プロフィール】

しらいし・ひかる 2000年5月22日、東京都生まれ。深川三中卒。有明ジュニアテニスアカデミー所属。170センチ、60キロ。