金賞を取った3組のダンス(学校提供)

堀川高校(京都)の文化祭(9月1、2日)では、3年生6クラスが劇とダンスを組み合わせた各50分間のパフォーマンスを披露した。2001年から続く名物企画だ。校内の吹き抜けの空間(アトリウム)に設けたステージで行われることから「アトリウムパフォーマンス」と呼ばれる。

「表現の自由」テーマに

3年3組46人は、オリジナル劇「TRAUM(トラウム)」を上演。個人の表現が厳しく統制された世界に暮らす主人公が、王様から表現の自由を取り戻す物語だ。劇中の要所でダンスが盛り込まれており、ラストは総キャストによる表現の自由をつかむためのダンスで大団円を迎える。

ダンスを披露する3組の生徒

作品テーマは「表現の自由」。5月に文化部員が中心となり、これまで同校で学び得たことを振り返って決めた。テーマを基に脚本係が物語を創作。振り付けを考えてクラスメートに教えるダンス係、舞台セットを作る大道具係などに分かれて作品作りを進めた。

3年3組の舞台裏

緊急会議で結束

3年生で団結式

7月から放課後や朝時間を使って本格的な練習を開始。だが、最初の通し稽古は散々な出来だった。「各係のリーダーで緊急会議を行い、練習方法を見直しました。クラスメートには『一人一人が自分の動きをしっかり把握しよう』と伝えました」(中司茉琴さん)。この危機でクラス全体の意識が変わり、結束した。「通し稽古後のダンスは目に見えて上達しました。振り付けのアイデアも、みんなが積極的に提案してくれたんです」(岡部優惟さん)

劇の完成度やメッセージ性を考慮した、先生3人による審査の結果、3組は見事金賞を獲得した。(中田宗孝)