いざ勉強をしようと机に向かっても気が散ってしまう。脳科学に基づく勉強法や記憶術について、多数の著書を執筆している宇都出雅巳さんに対策を聞いた。(安永美穂)

Q. 勉強中に気が散らないようにするには?

 

A. スマホは目に入らない場所にしまっておこう。

脳のワーキングメモリ(短期的にとどめておける記憶)の容量には限りがあります。気が散る原因となるものは目に入らないところに片づけ、余計なことを考えずに済む環境を整えましょう。

スマートフォンは、目に入る場所に置いてあるだけでそちらに注意が向いてしまうので、勉強のための注意力や集中力が低下する原因となります。勉強中はかばんの中にしまったり、親に預けたりして、完全に視界に入らないようにした方がよいでしょう。

人間という生きものは、誘惑に弱いものです。スマートフォンに限らず、マンガやゲームなど、そこにあるとつい見てしまうものは、「見ないようにしよう」と意志の力で頑張ろうとするのではなく、見ないで済む環境を整えることが集中力アップへの近道だといえます。

 
宇都出雅巳さん
うつで・まさみ 東京大学経済学部卒。30年にわたり、心理学や記憶術を研究し、脳科学などに基づく独自の学習法を確立。「仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方」(クロスメディア・パブリッシング)など著書多数。