高校生の進路選択は、将来にかかわる重大な決断。しかし中には、偏差値の高い大学に入学させるためだけの指導をする先生もいるのだという。今回編集部に集まってくれたのは、現役高校生8人と大学生一人。自分たちの体験を交えつつ、進学校における進路指導を本音で語ってもらった。(構成・山川俊行)

成績が下のクラスは、理系を選ぶ資格なし!?  

——ズバリ聞きます。学校の進路指導って、役に立っていますか?

一同 ……(沈黙)。

——どうやらみなさん、思うことがありそうですね。

A 私は高校1年生なんですが、国公立大学への進学のことしか言われません。「私立は邪道」みたいな感じがすごくウザいんです。

——全員に対してそういう指導を?

A そうです。私の学校は1学年が2クラスなんですが、成績が下のクラスの生徒には「どうせ数学についていけないんだから文系にしろ」という圧力をかけられます。それでも理系を選択すると「考え直せ」と言われる始末です。表向きはいい学校なんですけどねえ(笑)。

B 友達に嫌な思いをした子がけっこういました。国公立志望の子たちが多かったんですが、先生から「数学が苦手なんだからやめときなさい」と言われたりして。生徒が進みたい道を無理矢理変えるというようなことは、先生たちにはやめてもらいたいなと思います。

「あなたの計算勝ちですね」  

——ほかに、進路指導のここがおかしいと思うことはありますか?ちゃんと先生が話を聞いてくれる機会ってあるんですか?

C 一対一の面談はありますね。でも、ためになったのかと言われると……。

——そうでもないんですね。

D(大学生) 私、どうしても許せないことがあるんです。高校1年時の担任がけっこうヤバい人で、進路面談のときに第一志望の大学名を伝えたんですが、「いやいやいや、受かるワケないじゃん!」と言われたのが相当悔しくて。猛勉強の末、志望大学に無事合格できたんで、卒業式の日に直接言いにいきましたよ。「私受かりましたよ」って(笑)。

――そしたらなんと?

D 「あなたの計算勝ちですね」と。

——……。

将来を見据えた進路指導をして!  

——学校の進路指導のあり方について、ひと言もの申すとしたら?

E 結局、なんでもかんでも「お前ら勉強しろよ」となってしまうのはおかしいですね。大学に行くことが全てではないですし、もっと幅広い進路指導をしてもいいんじゃないかなとも思います。

職業の観点からアドバイスをもらうというのは、ほぼありません。あとよくあるのが、文転のことを考えて理系のクラスを勧められることですね。

一同 あ~、あるある!

——どういうことですか?

E 理系であれば数学をみっちり勉強して、英語は文系と同じぐらい勉強をします。私立文系の入試は、だいたい国数英。仮に途中から文転しても、国語を勉強するだけで入試が受けられる、という仕組み。逆に文系に進んでしまうと、高3から数学やるのはめちゃくちゃ大変じゃないですか。だから文転を視野に理系へ進むという人がすごく多くて。

F だいたいみんなそこでコケて文転する。

G けっこううまくいかないよね。

——将来を見据えた指導ではなくて、受験のための指導なんですね。

E そうなんです。極端にいえば、「GMARCH以上は神で、それ以下は雑魚」みたいな物差しの先生がいます。それが許せないというか、あんまりなのではと思います。

H 日本の大学入試って、勉強でしか測りません。アメリカの多くの大学の場合、スポーツか音楽、どちらかをやっていないと落とされます。あとは他人に自慢できる趣味やボランティア経験とかがないと入れなくて。勉強だけできても、結局は仕方ないんですよ。