4月のサッカーU17女子ワールドカップ(W杯)で初優勝したU17女子日本代表(リトルなでしこ)。大会MVPに輝いたMF杉田妃和(静岡・藤枝順心3年)=福岡・二島中出身=と、決勝で得点を挙げたFW児野楓香(同2年)=愛知・岩成台中出身=は、東京五輪の舞台に立つことを夢見ている。 (文・写真 斉藤健仁)
世界で戦い課題が見えた
リトルなでしこのメンバー21人のうち、16人はクラブチームに所属する。そんな中、「高校の部活」というカテゴリーの藤枝順心コンビが輝きを放った。主将を務めた杉田が「優勝という目標を達成できてうれしかった。特にディフェンスが良かった」と言えば、児野は「控えに回るケースが多くて悔しい思いもしましたが、諦めない気持ちを学べた」と振り返る。
世界の強豪と対戦して課題も見つかった。杉田は「判断力をもっと早くしたいし、左右の足でもっとうまく蹴れるようになりたい」と話す。児野は「世界の選手相手にはフィジカルでは劣る。動き出しなどを早くして、小さくても勝てるようなプレーを身に付けたい」と語る。
まずは高校女王になる
2人の目標は「なでしこジャパン」に入り、「W杯、そして東京五輪でも優勝する」ことだ。「その夢をかなえるためには、まず次のカテゴリー(U20女子日本代表)に選ばれなければならない。でも、今は藤枝順心で頑張らないと」と声をそろえる。
同校サッカー部は昨年の全国高校総体(インターハイ)でPK戦の末に初戦敗退。今年1月の高校選手権では惜しくも決勝で敗れ、初の全国制覇を逃した。
部活でも主将の杉田は「(代表の主将を務め)人前で話すことができるようになるなど、チームをまとめる上ですごく良い経験ができた。この経験を生かし、チームを引っ張って自分たちの代でタイトルを取りたい」と、既に気持ちを切り替えている。
児野は「U17女子W杯優勝がゴールではありません。まだ、なでしこジャパンへのスタートラインに立っただけです」とキッパリ。夢をつかむため、まずは目の前にある「高校女王」のタイトル奪取に全力を注ぐつもりだ。
♥すぎた・ひな 1997年1月31日、福岡県生まれ。好きな教科は世界史。161センチ、53キロ。
♥この・ふうか 1998年1月15日、愛知県生まれ。好きな教科は数学。身長153センチ、47キロ。