全国の高校生が自作した鉄道ジオラマのできばえを競う「第10回全国高校鉄道模型コンテスト2018」(8月4日・5日、東京ビッグサイト)が開催された。12校がエントリーした「一畳レイアウト部門」では、白梅学園清修中高一貫部(東京)鉄道模型デザイン班が優秀賞を獲得した。(文・写真 中田宗孝)

ジブリ映画に出てくる鉄道を表現

「一畳レイアウト部門」は、畳一畳分のスペースの中に、鉄道の走る情景を制作する。「モジュールレイアウト部門」の作品と比べ、ダイナミックなジオラマを作り込めるのが特徴だ。

同班は、アニメや映画の中の鉄道風景をモチーフに選び、毎年、ファンタジー色あふれるジオラマを制作する。今年は、多くの班員が好きな作品だという、ジブリ映画「天空の城ラピュタ」の1シーンに登場する、渓谷の街を走る鉱山鉄道を再現した。「劇中では、線路がどのように伸びているのか、細部まで描かれていません。そこは、班員みんなで作品を繰り返し見返しながら、想像をふくらませて制作しました」(部長の大野璃子さん・2年)

鉄道模型デザイン班の生徒たち

渓谷の中に伸びる高さのある線路は、大野さんが中心となり仕上げた力作だ。「線路の骨組みは、竹ひごを使った手作り。年季ある路線の雰囲気を出すために、あえて竹ひごを汚したのもこだわりです」。劇中で描かれる、崩れゆく線路も精巧に再現し、幅広い年齢層の観客から感嘆の声をもらった。作品は優秀賞に選ばれた。大野さんは「昨年は賞を逃していたので素直にうれしい。私は最後のジオラマ作りになりますが、賞もいただき悔いはないです」と、笑顔をみせた。

「天空の城ラピュタ」に出てくる鉄道をイメージした作品