弁護士の長瀬恵利子さんに、高校生がセクハラやパワハラ、モラハラなどの危険にあった場合についてアドバイスしてもらった。(山口佳子)

Q. セクハラが不快だと思ってもなかなか断ることができません。どうすればいいですか?

 

A. 2人きりになる誘いには「行っていいか父母に相談してみます」と伝えてみる。

嫌だと思っても、「考えすぎなのではないか」「嫌と言えば状況が悪くなるのではないか」と、言いにくい雰囲気があるのかも。例えば、バイト先の上司や、学校の先生から密室に誘われた時に嫌だと思っても言い出しにくい状況もあるかもしれませんね。そんな時は、「父や母に相談してみます」と断るのもひとつの方法です。大人ではない高校生だからこそできる断り方です。

セクハラの被害者が「スキがあったから」などと逆バッシングを受けることも多いです。ハラスメントが起こる背景には、「目上の人には従わなくてはいけない」「男は男らしく、女は女らしく」といった上下関係や性別役割分担に関する無意識の共通認識があります。ハラスメントが起きやすい場所では、被害にあっても言い出しにくいというのも事実です。 

でも、社会は少しずつ変わってきています。一人一人が自分らしく生きるためにはどうしたらいいか、みんなで考えていくことが大切だと思います。ハラスメントに対する正しい知識を持ち、ハラスメントのない社会を作っていきましょう。

 
弁護士 長瀬恵利子さん
ながせ・えりこ 東京弁護士会所属。離婚、遺言・相続、労働問題などに詳しい。都内の中学・高校で、ハラスメントに関する講演を行っている。