テレビのバラエティー番組を中心に活躍中のイモトアヤコさん。番組内の企画で世界中に生息する珍獣と競走したり、世界有数の山脈の登頂に成功したりするなど、数々の名場面をお茶の間に届けてきた。そんな体を張ったチャレンジ精神は、何事にもパワフルに取り組んだ高校時代に培われた。 (文・中田宗孝、写真・高松英昭)

笑わせることが日課

鳥取で過ごした高校時代を「すごく楽しかった思い出しかないんです」と振り返るイモトさん。今と変わらず、当時も陽気な女の子だったようだ。

「クラスの中に一人はいるひょうきんなヤツ、それが私(笑)」 学校行事には「誰よりも目立ってやろう」と積極的に参加。文化祭のクラス演劇では、もちろん主役を演じた。「授業中は先生にツッコミを入れ、自分もボケていじられる。みんなを笑わせようと考えながら、毎日過ごしていました」

ハンド部のキャプテンに

放課後はハンドボール部の練習に汗を流し、キャプテンに選ばれる。

「部活見学で見た、シュートする先輩の姿がカッコ良かったっていう単純な動機で入部したのに、気がつけばキャプテン……。言葉で強く言えないタイプなので、必死に練習に励んで行動だけはキャプテンらしくしようと心掛けました。この経験で根性が身に付きましたね」

高校最後の試合は今も忘れない。相手は全国大会の常連チームだった。

「対戦が決まった時、チームの士気がかなり下がりました。でも、私は試合前に勝負を諦めたくなかった。試合では普段以上に気合の入った私を見て、部員のみんなも一つになってくれた。負けたけど、終了まで粘ることができた良い試合になりました」

秘密にしていた将来の夢

高校生のイモトさんには、秘密にしていた将来の夢があった。それは「芸能人になる」こと。

「芸能人になるなんて無謀だし、恥ずかしくて誰にも相談できませんでした。それでも、わずかなチャンスをつかむため、まずは東京の大学に進学。合わせて、今の事務所の養成学校に通いました。行動することで夢に近づこうとしました」

目標に向かって、とにかく行動する姿勢は今も変わらない。

「周りから『超人!』とよく言われますが、自分的にはちょっぴり体力のある女子のつもりです(笑)。プレッシャーや不安は常にあります。実際ダメだったことも多い。でも失敗も無駄ではなく、人生に必要な経験だと思っています」

高校生にはこんな熱いエールを送る。

「みんなにも、人には言えないけど『アレをやりたいな、実はコレが得意』というものがあると思います。人に相談しなくてもいい。自分の好きな気持ちを強く信じて、夢がかなうように突き詰めてください」

いもと・あやこ 1986年1月12日、鳥取県生まれ。お笑い芸人として芸能界入り。バラエティー番組「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ系)での活躍が注目され、一躍人気者に。2013年10月には番組の企画で、世界で8番目に高いヒマラヤ山脈マナスルの登頂に成功した。