日本の高校生にとっては当たり前のことも、海外から来た留学生が見たらすごかったり、面白かったり……。アジアや米国などから日本の高校に留学している4人に、日本でどんな高校生活を送り、どんなことを考えているのかなどを聞いた。4回目の今回は、日本の高校生の印象や日本に留学した良かったことを語ってもらった。(文・山口佳子、写真・野村麻里子、協力・AFS日本協会、年齢は取材時)
印象は子どもっぽい?
――日本の高校生の印象は?
ジェレミー 僕は男子校に通ってるんだけど、あんまりみんなしゃべらない。冗談やちょっとした短い会話はするんだけど、僕はもっと自分のことも話したいし、相手のことも知りたい。
シーファ 私が通っている女子校の子たちは、みんなシャイだけど、優しいの。「大丈夫~?」っていつも聞いてくれて、「一緒に遊ぼう」って誘ってくれる。回転寿司にも一緒に行くんだけど、生魚が苦手でてんぷらを食べたら、「回転ずしのお店でてんぷらを食べる人初めて見た」って笑われちゃった。上野動物園にも行きました。カラオケも大好き。日本の歌を歌えるようになりたいので、ピアノの先生に習っています。
メイ 私は共学なんだけど、お昼ごはんの時とか、女子と男子のグループに分かれるのが不思議。フィリピンでは、男女一緒に普通に遊ぶから。
マーシャ 私が通ってるのも女子校。みんな私を見て、「きゃぁ、かわいい」とか言ってくれる。試験が終わるとどこに行きたいか聞いてくれて、今度の日曜日には学校の友だち5人くらいで鎌倉に行く約束をしています。
――自分の国に比べて、日本の高校生はどう感じる?
ジェレミー 子どもっぽい!
(これにも3人うなずく)
ジェレミー 掃除の時間に、ほうきで侍ごっこを始めたことがありました。楽しそうだから僕も参加したら、先生から叱られた(笑)。
シーファ インドネシアの男の子も同じようなことをするなぁ。
マーシャ でも、部活や授業をさぼらないところはきちんとしていて大人っぽいと思う。
みんな違って良い
――メイさん以外の3人は、そろそろ帰国の時期が近づいていますね。日本に留学してよかった?
ジェレミー&シーファ&マーシャ よかった!
ジェレミー 僕はずっとあこがれていた日本に来られて本当によかった。ホストファミリーが銭湯を経営しているので、いろいろな世代の日本人とコミュニケーションもとれた。日本語検定2級にも挑戦して、結果はまだ出ていないけど受かった自信がある。
シーファ 日本に留学を決めた時、「戦時中、インドネシアにとても悪いことをした日本になぜ行くの?」と、たくさんの人に聞かれたの。日本に来てみて本当に楽しかったし、どんな国にもいいところと悪いところがあるということがわかった。それはインドネシアも同じ。だから、インドネシアに帰って同じ質問をされたら、「日本はとてもすてきなところだから、あなたもぜひ行ってみて」とみんなに伝えたい。
マーシャ 私は米国ではとってもシャイだったの。でも日本で同級生から声をかけてもらって、友だちとのコミュニケーションを積極的にとれるようになった。留学している今の時間は、私が今までで一番頑張っている時期。だから剣道でも1級がとれたんだと思う。それと、その国の人に直接会うことはとっても大切。私は8歳の時に、ロシアから米国に渡ったのだけれど、ロシアにいた時に聞かされていた米国のイメージと、実際に米国に住んでみたイメージは全く違っていた。今米国に住んでみると、米国人が抱いているロシアのイメージはちょっと違うなぁと思う。直接知らないからこそのディスコミュニケーションというか……。だから、同じように日本に住んだからわかったことも多い。例えば、ロシア人はうれしいことがないのにニコニコしているのは変だけど、日本人はうれしくなくてもニコニコする。ロシア人はストレートに感情を表現するけど、日本人は違う。
ジェレミー でも、それはどっちがいいとか悪いとかじゃないんだよね。
マーシャ (うなずく)
シーファ そういう意味では、アジアは似ているよね。インドネシアも誰にでもあいさつするし、みんなニコニコしている。
メイ フィリピンも同じ。
シーファ だから、シーファは「みんなちがってみんないい!」っていう言葉が大好きなの。みんなもそう思わない?
(全員うなずく)