米大リーグ、エンゼルスで投打の「二刀流」に挑む大谷翔平選手。花巻東高校(岩手)3年生だった2012年に本紙のインタビューに応じてくれていた。

高校3年生の時の大谷翔平選手(高校生スポーツ2013年1月号より)

当時の大谷選手は、160キロをマークした身長193センチの大型右腕として注目されていた。ドラフト会議前に大リーグへの挑戦を表明したが、最終的に選んだ道は日本プロ野球界だった。進路をめぐるニュースが連日報道され、「一人になると考え込むことが多かった。授業中もまったく落ち着かなくて、先生の話にも集中できませんでした」と言う。最後は自分で決めた。「自分の進路ですし、誰かが決めるものでもない。後悔はしていません」

野球部では毎日黙々と練習し、背中でチームを引っ張り続けた。寮ではテレビをほとんど見ず、ゲームもしない。「はやりの音楽なんて、ほとんど知りません。野球のことばかり考えていました」

入学時に「163キロの球を投げる」「チームで日本一になる」という目標を立て、自らを奮い立たせてきた。達成することはかなわなかったが、3年夏の甲子園県予選では、160キロをマークすることができた。「少し高めに目標を設定したことがよかったのだと思います。周囲が無理だと言っても気にせず、自分の力を信じて投げ込んだ結果です」

最後の夏の甲子園に出場できなかったことには「東日本大震災で家族を亡くしたチームメートもいて、みんなで励まし合ってきただけに残念でした。それでも、最後は力を一つに合わせて戦えたので良かったかなと思います」。

将来については「まずは国内で結果を残し、将来はメジャーで長く活躍できる選手になります」と意気込みを語っていた。