ながの・めい 1999年9月24日生まれ。東京都出身。2009年、映画デビュー。「カルピスウォーター」や「UQモバイル」のCMでも話題に。主な出演作は、ドラマ「僕たちがやりました」、映画「俺物語!! 」「ひるなかの流星」「ミックス。」など。

NHK連続テレビ小説「半分、青い。」で、片耳が聞こえないヒロインを演じる永野芽郁さん。私生活では、3月に高校を卒業したばかりだ。学校での同級生との感動エピソードや、落ち込んだときにどう立ち直るかなど、高校生記者からの質問に答えてもらった。(聞き手・大浦晏奈、中村友里、構成・中田宗孝)

台本通りでは伝わらない

――「半分、青い。」のヒロインを演じる時に何を意識していますか?

みんなに愛されるヒロインになれるように演じることです。すごく考えて、せりふを言うように気をつけています。せりふって、台本通りに言うだけでは伝わらないことがあるんです。(私が演じる)鈴愛(すずめ)の言葉をまず自分の内側に入れ、感情を込めて言うことで、相手に届くと思っています。

――左耳が聞こえない設定です。

片耳の聴力がないという役柄の演技に最初は戸惑いました。左後ろから声が聞こえても、左側ではなく右側から振り向かないと不自然になってしまいます。(撮影が進んできた)今は耳のことを考えず、役柄の動きが自然にでき、「鈴愛になりきれているな」と感じています。

気持ちの切り替えが大事

――何かで挫折を感じた経験は?

お芝居を始めたころは、オーディションで何度も落ちてばっかり。そういう時に(自分の実力不足が分かり)悔しい思いをたくさんしました。

――どう立ち直ったんですか?

あるとき、ダメだったことは割り切り、「次、頑張ろう!」と思うようにしたんです。ネガティブになっている時間があるなら、それをポジティブな時間に変えた方が何事も楽しいだろうなって。今も、自分の中では失敗だと思う演技をしてしまうことがあります。ですが、落ち込まず、引きずらず、気持ちを素早く切り替えると次に向かっていけるんです。

同級生のサプライズに感動

――高校生活での思い出を教えてください。

誕生日の日、学校で自分のロッカーを開けるとカラフルな装飾が目に飛び込んできて。背後からクラッカーが鳴り、振り向くとクラスのみんなが「おめでと~!」って。想像もしてなかったサプライズの祝福をされ、その瞬間、感動して泣いてしまいました。

――高校生にメッセージを。

私は高校入学からあっという間に卒業を迎えてしまいました。自分でもまったく理解できないスピードで高校生活が過ぎていったんです。「授業ダルい、学校面倒くさい」なんて日もあると思いますが、それでも高校生活を楽しんでほしい。やっぱり、教室で友達と話した思い出はすごく残るから頑張って!

【取材を終えて…】
 
 高校時代、昼休みには友達と「次の授業が面倒くさい」などと話していたそうです。話の内容が私たちの普段と変わらなくて、とても親近感が湧きました。私も学校へ行くのが面倒な時がありますが、これからは永野さんの「友達との思い出が学校にはあるから、頑張って行こう!」という言葉を思い出そうと思います。また、友達からの誕生日のサプライズも泣くほど感動したと聞き、永野さんが芸能界のお仕事を頑張れているのはお友達の優しさも関係しているのかなと思いました。私自身も友達の支えのおかげで頑張れていることもあるので、改めて友達や身近な人の支えの偉大さを実感しました。(中村友里・2年、左)

 同じ高校生だと思えないカリスマ性と明るさを持っている永野さん。とても優しく、私が質問をしている間は「うん、うん」と相づちを打ってくださり、話しやすかったです。 女優業で一番苦労をしたエピソードが印象に残っています。「冬場の寒い日に外で夏服を着て撮影をしなければいけなかった時は本当につらかったけど、寒い日は空気が澄んでいて(きれいな映像が撮れるから)、頑張ってよかった」と話していました。私も陸上部でつらい練習をした後にそれ以上の達成感を味わうので、とても共感できました。またつらいことがあってもそれを念頭に置いて取り組めばきっと乗り越えられます。(大浦晏奈・3年)
【NHK 連続テレビ小説「半分、青い。」】
1971年岐阜県東部のとある町で生まれた鈴愛(永野芽郁)は、片耳を病気で失聴しても前向きに毎日を過ごしていた。幼いころから絵が得意だった彼女は高校卒業後、少女漫画家を目指すため上京するが……。NHK総合、毎週月~土曜午前8時~8時15分などで放送中。