セッター栗田のトスから主将の辻村がクイック攻撃を放つ。速いコンビがチームの武器

 

全日本バレーボール高校選手権(春高バレー)の東京都代表決定戦女子決勝が11月15日、墨田区総合体育館であり、共栄学園が下北沢成徳をストレートで下して優勝。3年連続22回目となる全国の舞台に臨む。
(文・写真 小野哲史)

選手全員に責任感

現チームは今春、わずか11人で始動した。2月の新人戦も登録枠の12人に満たない戦力で臨まなければならなかった。主将の辻村りこ(3年)=東京・共栄学園中出身=は「1、2年生が支えてくれたおかげで、ここまで来ることができました」と後輩たちに感謝する。
 実際、チームの中で2年生の存在は大きいが、セッターとして攻撃陣を操る栗田楓(2年)=同=は「チームがあたふたしている場面で、自分がもっと柱になって引っ張っていかないといけないのに、準決勝でそれができなかった」と、優勝の喜びよりも先に反省を口にする。学年に関係なく、各選手が責任感を持ってプレーする姿勢に、共栄学園の強さが見える。

速いコンビが持ち味

決勝では、辻村とリベロ中村優里(3年)=同=の最上級生の2人が後輩たちに声を掛け続け、相手に隙を見せなかった。「ほかのチームにない速いコンビで、相手ブロックがつく前に勝負するのが共栄のバレー」と辻村は言う。自らも速いクイック攻撃を決め、チームを勢いづけた。
 前回の春高バレーは、優勝した九州文化学園(長崎)との準決勝で、2セットを先取しながら、まさかの逆転負けでベスト4止まり。先輩たちの無念の思いを自分たちの力に変え、10年ぶりとなる春高制覇を目指して、共栄学園は全国の舞台に乗り込む。

チームデータ
 1946年創部。部員22人(3年生4人、2年生7人、1年生11人)。太田豊彦監督。春高、インターハイ優勝各2回(ともに1994、2005年)。元全日本代表の益子直美さんやビーチバレーの草野歩らを輩出。