ボケとツッコミが交互に入れ替わる独特の漫才で、多くのお笑いファンを魅了する笑い飯さん。ともに「さえない高校生活を送っていた」と振り返るが、当時から笑いに対する貪欲な姿勢は人一倍あったようだ。
(文・中田宗孝 写真・玉井幹郎)

 

――どんな高校生でしたか?
<西田>
勉強はダメでスポーツもまったくできない、いわゆる落ちこぼれでした。おまけに遅刻の常習犯で。
<哲夫>
僕はサッカーに打ち込んだ高校時代でした。放課後も休みの日もたくさん練習したけど、結局3年間ずっと補欠のまま。ただ、どうやって人を笑かそうかといつも考えているような男子だったので、部活の中ではみんなを一番笑わせていたんです。だから“そっち”では胸を張ってレギュラーだったと言い切れますね。
<西田>
お笑いが好きだったので、「お笑い好き」を自称するやつには男女問わず、ライバル心をむき出しにしていました。「おれのほうがお笑い詳しいし面白い!」と。クラスの人気者がみんなを笑わせていても、絶対に笑わなかった。いま思えばなんて陰湿なんだろう(苦笑)。

――恋愛の思い出は?
<西田>
当然、彼女はできない。そもそも、女子と話す機会がほとんどありませんでした。しゃべるとすれば友達の彼女くらい。女の子も、彼氏の友達なので僕に対して優しいんですね。だから、友達の彼女を好きになりかけたことがあります。「もしかしておれのこと好きなの!?」みたいな思い違いをして。
<哲夫>
高1のときにクラスの好きな子に告白したけど、見事にフラれてとても落ち込みました。当時はめっちゃツラかったけど、振り返ればいい思い出。みんなも後悔しないように好きな子に思いを伝えたほうがいいですよ! ただ、告白するってかなりの勇気がいるんですよね。
<西田>
うん。告白なんて大胆なことをできるやつは、高校時代のおれみたいな陰湿な男子から「あいつなんやねん!」て思われますから。大変ですよ。
<哲夫>
(苦笑)。

――高校生へメッセージを。
<哲夫>
高校で経験する楽しいこと、しんどかったこと、どんな出来事も忘れずに覚えておこう。それが大人になって話のネタになったり、思わぬところで役立ちます。ほんまですよ!
<西田>
負のエネルギーでいっぱいの高校生でしたが、不思議と学校がつまらないと思ったことはなかったんです。それは友達と話したり遊んだりするのが楽しかったから。だから……。
<哲夫>
一生モンの友達を作りましょう!
<西田>
おれに言わせろやー!

(高校生新聞 2013年7・8月号から)