映画「舞妓はレディ」で初主演を飾る上白石萌音さん。普段は学校行事や勉強に一生懸命に取り組む高校2年生だ。高校時代に悔いを残さぬよう、何事にも恐れず挑戦することをモットーに、全力で今を生きている。 (文・中田宗孝、写真・高松英昭)
母の一声に救われる
「舞妓はレディ」は、京都で舞妓修行に励む少女の物語。主役を演じた上白石さんは、劇中で歌や踊りにも挑戦している。
「『舞妓さんにしてください!』と、お願いしてから歌うシーンが一番心に残っています。緊張したけど、1回で監督からOKをもらえた時の達成感は忘れられません」
オーディションで約800人の中から選ばれ、初の大役を射止めた。喜びと同時に、ベテラン俳優との共演にプレッシャーも感じた。不安を和らげてくれたのは母の言葉だった。
「撮影に向かう前、母は決まって『楽しんできてね!』と送り出してくれました。上手に演技ができずに悩んだら母の言葉を思い出して『何事も楽しもう!』と、気持ちを切り替えることができました」
大学進学が目標
学校では、本人いわく「おしゃべり好きな普通の高校2年生」。女優業と同じく高校生活を満喫中だ。
「勉強も学校行事も全力で取り組みたい。一度しかない高校生活の一瞬一瞬を後悔しないように楽しみたいんです」
卒業後の進路は、大学進学を目標に掲げる。勉強に行き詰まると友人同士で励まし合っているという。
「これからもずっと付き合っていきたい仲間なので、みんなとは良い関係でい続けたいです」
大切にしているモットーは、同世代へのエールにも聞こえる。
「私は挑戦することが好き。何かを始める時は恐れを感じることもあるけど、それ以上に好奇心が原動力となって行動できる。頑張って一歩踏み出してみると、想像もしなかった新しい発見に出合えるんです。皆さんも挑戦し続ける高校生活を過ごしてください」
かみしらいし・もね 1998年1月27日、鹿児島県生まれ。2011年の第7回東宝シンデレラオーディションで審査員特別賞を受賞。主な出演作は「おおかみこどもの雨と雪」「だいじょうぶ三組」ほか。
高校生記者が取材に同行 勇気もらった
上白石さんは、一瞬の経験から学んだものをたくさん吸収できるのだなと感じました。「どんなにつらくてもその瞬間を楽しみたい」「恐怖や不安より好奇心が勝る」と話した上白石さんは、私よりよっぽど勇気があって大人に見えました。
私も同じ高校2年生ですが、今までの高校生活の中でやり残したことがあるのではないかと考えるようになりました。
挑戦することを恐れず、後悔なく人生を送るなら、頑張って一歩踏み出すことが大切なんだと教わりました。(平松咲羅)