ジャイアントパンダのシャンシャン((公財)東京動物園協会提供)

6月に誕生し無事成長

上野動物園(東京都)のジャイアントパンダの雌シンシン(11歳)が今年6月、体重147グラム、体長14.3センチの赤ちゃんを出産。その後、赤ちゃんパンダは雌と分かり、名前は「シャンシャン(香香)」に決まった。シャンシャンは、11月10日の身体検査では体重9.9キロと順調に成長して木登りもできるようになっており、同動物園は12月19日から一般公開する予定だ。

国内9頭目

シャンシャン誕生で国内にいるパンダは上野動物園が3頭、神戸市立王子動物園に1頭、和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドに5頭の全部で9頭となった。

日中国交回復を記念し、1972年にカンカンとランランが中国から贈られ、上野動物園が日本で初めて飼育を始めた。80年に来園したホアンホアンとユウユウの間に3頭の赤ちゃんが誕生したが、ユウユウと交換で来日したリンリンが08年に死に、パンダ公開は一時途絶。東日本大震災直前の11年2月に約2年10カ月ぶりに中国から雄のリーリーと雌のシンシンがやってきて、翌12年に同動物園初の交尾による自然繁殖に成功したが、6日後に母乳を気管支に詰まらせて死んでしまった。

生後2年で中国へ?

現在日本にいるパンダの所有権は中国にある。ワシントン条約で1984年に国際取引が禁止され、上野動物園を管理する東京都と中国野生動物保護協会は共同でパンダの繁殖研究に取り組む協定を締結、中国からパンダを借りている形となっているためで、日本で生まれたパンダも中国に所有権がある。上野動物園の場合、リーリーとシンシンを借りている期間は10年間で、この間、毎年95万ドルの「保護資金」を中国野生動物保護協会に提供。シャンシャンも生後2年をめどに中国に返すことが決まっている。