今月のオススメ
湘南白百合学園高校図書委員会に
イチオシの恋愛小説を選んでもらいました。(価格は税込み)
AI(アイ)に負けた夏
土橋真二郎著(メディアワークス文庫、659円)
◆アンドロイドが紡ぐ赤い糸
成功率100%の恋愛。それを実現しているのはAIだった。大学生の明と赤い糸の行方を知るアンドロイドは、システムのバグでデータが消失した、明の運命の相手を探し始める。恋愛を完璧に解析したというAIは、本当に人間の恋愛を理解しているのか。AIが共存する世界は面白くも、赤い糸をひも解いた先にある「ひと夏の正体」は切なくて、はかない。(小川玲未さん・2年)
陽だまりの彼女
越谷オサム著(新潮文庫、637円)
◆幼なじみの秘密とは
新人営業マンの浩介は、取引先で幼なじみの真緒と10年ぶりの再会を果たす。いじめられっ子だった彼女は、驚くほど魅力的な女性になっていた。次第に2人は引かれ合い、結婚を決意するまでに。しかし彼女には、とんでもない驚きの秘密があって……。ラストまで目が離せない。(梅原茜さん・2年)
放課後の音符(キイノート)
山田詠美著(新潮文庫、497円)
◆複雑な恋心を描く短編小説
手に取りやすい短編の恋愛小説。気付かれたくもあり、絶対に悟られたくもない、複雑な恋心が軽快な会話と共に描かれている。ある人を好きになっていくと同時にライバルをあざ笑う自分が嫌いになる……。そんな風にコントロールできないほど夢中になるのが恋なのかもしれない。(沓名彩花さん・2年)
桜のような僕の恋人
宇山佳佑著(集英社文庫、648円)
◆桜のように、はかなく美しい思い
晴人は、新米美容師の美咲に一目ぼれする。次第に2人の距離は縮まり恋人となるが、美咲は老化が早まる難病を患い、晴人に突然別れを告げた。しわが増え、醜く変わる自分を晴人に見せまいとする美咲。それでも美咲を愛し続ける晴人。大切な人に会いたくなる、感動の恋愛小説。(塩野あおいさん・2年)
世界から猫が消えたなら
川村元気著(小学館文庫、670円)
◆要らない思い出ありますか?
主人公の〝僕〟はある日、自分そっくりの〝悪魔〟と契約する。その契約とは、残り少ない〝僕〟の寿命を1日ずつ延ばす代わりに、身の回りにあるモノを1つずつ消していくという内容だった。元恋人、親友、家族。モノが消されていくたびによみがえる温かい「思い出たち」。人と人の絆を淡く描く。(長村花さん・2年)