東京・明治大学付属明治高校 図書班が紹介する一冊
 新入生にオススメしたい本を選んでもらいました。

 

やり抜く力─人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける
アンジェラ・ダックワース著、神崎朗子訳(1728円、ダイヤモンド社)
◆やる気がないを理由にする人へ
高校生になるとテスト勉強など、やり抜かなければならない場面が多々ある。その過程で立ちはだかるのは「やりたくない」という怠惰な自分だ。そんな時、この本を頼ってほしい。成功者といわれている人々が、いかにやり抜く力を身につけてきたのかが分かる。
(さこぽっくる)

 

西の魔女が死んだ
梨木香歩著(497円、新潮文庫)
◆自立するヒントになる
学校へ行かなくなった女の子・まいが、おばあちゃんとの1カ月の生活を通して、立ち止まってしまった人生をまた歩き出そうとする。意志の力の大切さや自立について深く考えさせる。まいが魔女になるための修行は、私たちも自立するために実践できることだと思った。
(田崎茉依さん)

 

明日の子供たち
有川浩著(1728円、幻冬舎)
◆主人公の仕事姿が輝かしい
 児童養護施設で暮らす久志や奏子、職員が繰り広げる物語。転職してきた新人職員・三田村が、空気を読めないながらに情熱を持って懸命に仕事をする姿が輝かしい。子どもたちの施設に対する情熱や思いに心が揺さぶられる。
(はてな)

 

キノの旅 the Beautiful World
時雨沢恵一著、黒星紅白イラスト(572円、電撃文庫)
◆世界の美しさとは何か
 人間・キノと、言葉を話すモトラド・エルメスの旅を短編連作の形でつづるライトノベル。1つの国に3日しか滞在しない旅人キノは、さまざまな国や人々に出会う。旅人ゆえに国や文化に干渉しないキノを通して、多様な価値観や考え方、立場があることがうかがい知れる。
(YS)

 

こんなにも優しい、世界の終わりかた
市川拓司著(842円、小学館文庫)
◆走る。君を守るために
 世界の果てに一人待ついとしい人を迎えに奔走する主人公の物語。死ぬことさえ顧みず、ただ胸に愛と勇気を秘めた軟弱な主人公が、自分と似た人と出会い強くなる。少しも汚れのない、真っすぐで純真な愛に心洗われ、明日を生きる後押しをもらえる。
(中島詩乃さん)

 

幕が上がる
 平田オリザ著(745円、講談社文庫)
◆文化部って、かっこいいんです
 県立富士ヶ丘高校の演劇部は地区大会どまりの弱小校。高校に赴任してきた、「元・学生演劇女王」の指導により、部員たちは全国大会を意識するようになる。幾多の苦悩を乗り越え、目標に向かっていく文化系青春小説。一人ひとりの個性の大切さ、自分たちの意識を変えることの重要さ、そして何より文化部のかっこよさを教えてくれる。読めばあなたも文化部に入りたくなるはず。
(米民) 

 

ようこそ建築学科へ! 建築的・学生生活のススメ
五十嵐太郎監修(1944円、学芸出版社)
◆建築学科という選択肢
 ひとことで「建築学科」といっても、さまざまな種類があることはあまり知られていない。理工学部や工学部にあるという認識だろう。しかし、建築学は理系だけではない。美術系でもあり、文系からの転向もしやすい学問なのである。そのほかにも授業や課題、学生の日常生活、将来設計など、知ってそうで知らない建築という学問について、知ることができる。
(じゃがーる)