今月のオススメ

 

茨城キリスト教学園高校 図書委員会
夏に読みたい一冊を選んでもらいました。

 

僕とおじいちゃんと魔法の塔①
香月日輪著(角川文庫、473円)
◆夏、自分を変える出会い
 初夏のある日、主人公の小学生・龍神は黒い塔でお化けになった祖父に出会った。塔にあるさまざまな芸術作品と祖父の言葉、そして魔法に触れて、龍神は自分の世界を広げていく。心のモヤモヤを吹き飛ばしてくれて、自分らしく前へと踏み出す勇気を与えてくれる。(佐川未来さん・3年)

 

 

一瞬の永遠を、きみと
沖田円著(スターツ出版文庫、583円)
◆2人の旅の行方は?
 学校の屋上から身を投げようとしていた夏海の前に突然現れた少年・朗。朗に誘われるままに夏海は自転車の後ろに朗を乗せ、遠い海を目指す。朗と過ごすうちに、徐々に生きる意味と希望を見いだしていく夏海。一度きりの夏を駆け抜ける高校生のさわやかで切ない物語だ。(熊谷知紘さん・2年)

 

 

階段途中のビッグ・ノイズ
越谷オサム著(幻冬舎文庫、648円)
◆ザ・高校青春ライフ!
 廃部寸前の高校軽音楽部。廃部を免れるためには、何か大きな成果を挙げなければならない。大反響を巻き起こす文化祭のライブを考える主人公たちは、大きな問題が襲いかかる中、大奮闘していく。「これぞ青春!」というエピソードがたくさん詰まっていて、熱く心に響いてくる。(真鍋里緒さん・2年)

 

 

ナイン
井上ひさし著(講談社文庫、483円)
◆大人になっても続く友情
 地区少年野球大会でチームを準優勝に導いた少年野球団の主将・正太郎。大人になった彼は、チームメートを訪ねてはだましてしまう。それでも、大好きな野球を共にした仲間は、正太郎を訴えようとしなかった。正太郎は悪いやつだと思うかもしれないが、真実は違った。彼らの友情に憧れる。(芳賀凌君・2年)

 

 

新訳 夏の夜の夢
シェイクスピア著、河合祥一郎訳(角川文庫、432円)
◆人間と妖精の物語
 ギリシャのアテネに妖精が住む町がある。4人の若者がその町を訪れると、迷子になってしまった。どうなることかと読み進めていたところ、妖精が現れて、若者たちは皆無事であった。僕にも困ったときに助けてくれる妖精たちがいてくれたら、としみじみ思った。(弓野晃司君・2年)

 

プリズムの夏
関口尚(集英社文庫、497円)
◆僕には何ができるのか
 とある夏の日、映画館で受付の女性に文句を言ったことをきっかけに、この女性の存在を気にかけるようになっていく青年二人。うつ病の女性に、ひたむきな想いで向かい合う姿を見て、心を打たれた。女性が死に向かっていた時も、必死に助けようとする二人から私は大きな勇気を与えてもらった。全国の高校生に、ぜひ読んでほしいと心から願っている。(相澤優花さん・1年)

 

くちびるに歌を
中田永一(小学館文庫、669円)
◆歌で乗り越えていく
 中学生が課題曲「手紙 ~拝啓十五の君へ~」を歌い、Nコンに臨む。合唱部員たちがそれぞれ自分にあてた手紙に綴られた秘密。悩みや思いを抱えながら進んだ先で、歌の力が全てを繋いでいく。懐かしい!と感じる人もいるのではないだろうか。真面目にやらない男子と女子の対立など、ありがちな出来事にハラハラするものの、どこか微笑ましい。澄んだ歌声と長崎県五島列島の海の音が聞こえてくるような優しく爽やかな一冊。(小野菜央さん・1年)

 

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