乱獲で激減、保護が課題

高級なすしネタや刺し身で人気が高いクロマグロの資源が低迷し、国際的な保護策が課題になっている。韓国・釜山でこのほど開かれた中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)北小委員会は、太平洋クロマグロの漁獲枠を資源の回復見通しに応じて増減させる規制の導入で関係国が合意した。

繁殖能力のある太平洋クロマグロの親魚は1961年には約16万㌧だったが、乱獲で2014年には約1万7千㌧に激減した。新たな規制は、漁獲枠を増加する条件を厳格化し、資源回復への長期目標を新設するもので、関係国は来年に新たなルールに移行、早ければ19年から枠を増減し、遅くとも34年までに親魚の量を14年の7倍超の13万㌧に回復させることで一致した。24年までに約4万1千㌧に戻すのが当面の目標だ。

国際世論に歩み寄り

日本は13万㌧の長期目標設定には消極的だったが、国際世論の高まりを受けて歩み寄った。資源量に応じて漁獲枠を増減させる仕組みは日本が提案した仕組みだが、枠を拡大できる条件は米国など多くの国がハードルを高めることを求めており、日本にとっては厳しい制約が続く。規制を守れない日本に対して国際社会が厳しい視線を向けた形だ。