インターハイ陸上女子走り幅跳びで2連覇を果たした高良彩花

全国高校総体(インターハイ)陸上の女子走り幅跳び決勝が7月31日にNDソフトスタジアム山形で行われ、前回1年生ながら頂点に立った高良彩花(兵庫・園田学園2年)が6メートル17(追い風2.8メートル)を跳び、2連覇を成し遂げた。(文・小野哲史、写真・幡原裕治)

 

追う展開に闘志沸く

全中王者で前回の覇者。6月の日本選手権では6メートル14(追い風1.1メートル)をマークし、日本チャンピオンとなっていた。実績からすれば、高良が優勝候補筆頭に挙がるのは当然だった。午前の予選では1回目に6メートル00(追い風2.1メートル)を跳び、自身も「決勝では大会記録(6メートル33)更新を狙おう」と意気込んでいた。

ところが、試合はそう簡単な展開にはならなかった。1回目に6メートル10(追い風1.9メートル)でトップに立ったものの、3回目に吉岡美玲(石川・星稜3年)に逆転を許してしまう。高良は2~4回目の跳躍で記録を伸ばせない。

そのときの心境を「少し焦った」と振り返る高良。しかし、「もっと勝ちたいという気持ちが強くなった」と、むしろさらなる闘志が沸いてきたという。

勝負の5回目。「この1年で走力がつき、スピードが上がった」という助走から、157㌢、41㌔の小柄な体が大きく弾けた。ギリギリの踏み切りだったが、上がったのは白旗。記録も6メートル17(追い風2.8メートル)のセカンドベストで、ついに逆転に成功した高良がそのまま逃げ切った。

来年こそ大会新記録を

「勝ててほっとしています。中学3年の全中も逆転優勝でした。試合中に気持ちを切り替えられるのは、勝負強い部分があるのかなと思います」

ディフェンディングチャンピオンではあったが、タイトルを守ろうという気持ちはなかったという。「チームメートにも『勝たないといけない、ではなく、挑戦する気持ちでやればいい』と言われ、リラックスして臨めました」と笑顔をのぞかせた。

大会最終日には100メートルハードルも控えており、「予選と準決勝を突破して8位以内に入ること」を目標に掲げる。また、2連覇を達成した走り幅跳びでは、「来年は3連覇と、次こそは大会新記録をマークしたいです」と、今後のさらなる飛躍を誓った。

インターハイ陸上女子走り幅跳びで2連覇を果たした高良彩花