中高生に向けたトークイベント「友だちのピンチにできること」が12月7日、東京国際フォーラムで開催された。シンガー・ソングライターの加藤ミリヤさんが出演し、自身の10代を振り返り、参加した中高生たちにメッセージを送った。(中田宗孝)
イベントは、文部科学省と内閣府が進めるキャンペーン「友だちのピンチ、身近なおとなに話そう。」の一環として開かれた。自分や友だちが人生の悩みや人間関係のトラブルに直面したときに、どう行動すればよいかを10代に伝えるのが目的だ。
何のために生きるか 悩んだ10代の頃
キャンペーンのメッセンジャーとして登場した加藤さんは、自身の10代の頃を「早く大人になりたくて悩み、自分は何のために生きているのかと悩みました。……とにかく思いつめていたことしか思い出せないくらい悩みのつきない時期でした」と明かした。
名古屋大学教授で、スクールカウンセラーの経験もある窪田由紀先生とのトークセッションでは、友だちからのSOSに応えるための必要な行動指針「きょうしつ(教室)」が紹介された。
「きづいて」
「よりそい」
「うけとめて」
「しんらいできる大人に、つなげよう。」
の頭文字をとったものだ。
アドバイスより話を聞くこと
窪田先生は、「友だちからのピンチのサインは、必ずしも元気がない時だけとは限りません。普段、穏やかな子が急に怒りっぽくなったり、やたらテンションが高くても内心は思い悩んでいることもあります。そんな、いつもと違う友だちの様子に気がついたら『何かあった?』と声を掛けてみて」と10代にアドバイス。
加藤さんも、自身の経験から「友だちに何かアドバイスしなきゃ、悩みを解決しなきゃと思わないで。ただ話を聞いてあげるだけででもいいんだから」と話した。
自分を救うために詩と曲を作り始めた
イベントのラストは、加藤さんのミニライブ。自身の楽曲の中から「勇者たち」「Lonely Hearts」の2曲を歌った。「私は悩んでいた自分を救うために詩や曲を10代の頃から作り始めました。今、大人になって思うのは、10代のみなさんと同じ目線で物事を考えられる人になりたいということ。みなさんの身近にも頼れる大人がきっといるはず!」と思いを語った。
そして、イベント参加者へのサプライズとして2015年1月14日にリリースされる新曲「少年少女」を初披露。10代の若者たちへの力強い応援ソングに、参加した中高生や家族連れは大きな拍手で応えた。
(高校生新聞オンライン 2014年12月17日更新)