1年生エースの宮部藍梨は最高到達点306センチという高さが武器

 

プレッシャーはね返し3冠
 
 3冠がかかった春高。他の学校から「金蘭会にだけは絶対に負けない!」と追われる立場となり、池条義則監督(53)は「『打倒金蘭!』という声を聞くたび、プレッシャーがかかった。本心はきつかった」と明かす。
 
 だがそんな重圧の中、選手たちは試合を重ねるごとに成長した。中でも目覚ましい進化を遂げたのが1年生エースの宮部藍梨=大阪・金蘭会中出身=だ。昨夏のインターハイでは「緊張して足が動かなかった」という。それから、わずか半年後。春高の決勝カード、大阪国際滝井(大阪)戦では、自分から積極的にトスを呼んだ。春高に向けて練習を重ねてきたというバックアタックを積極的に打ち、抜群の勝負強さも発揮した。
 
 優勝を決める第3セットの25点目は、「全てを宮部に託した」という主将の堀込奈央(3年)=同中出身=からのトスを豪快にスパイク。まさにエースの名にふさわしい活躍を見せた。
 
別人のように成長
 
 堀込に限らず、共にプレーをしてきた3年生から「宮部は春高予選とは別人のように成長した」と称賛された。本人は「大舞台に強い」と自負する一方で、「緊張しているつもりはないけれど、試合前にはおなかが痛くなる」と苦笑いする。繊細な一面も併せ持つ大器に、池条監督は「ナイーブな子なので、『緊張する』とか『先輩がいないと寂しい』とか言わないように、もっともっとたくましくなってほしい」と、さらなる成長を期待する。
 
 日本が優勝した10月のアジアユース選手権では主将を務めMVPを獲得。そして、エースとして臨んだ春高では3冠を達成。大きな自信を手にした次世代のエース宮部のさらなる進化が楽しみだ。

チームデータ
 2007年創部。部員33人(3年生12人、2年生8人、1年生13人)。07年に池条義則監督が就任。13年のインターハイで3位、14年のインターハイでは優勝と着実に成績を伸ばしている。