早稲田大学は11月15日、創立150周年を迎える2032年に向けての中長期計画を明らかにした。入試、教育、研究体制などの大胆な改革を目指す。

記者会見した鎌田薫総長は「入試は(改革の)一番大きなポイント。決まった日に一斉にペーパーテストを行う入試方式が望ましい方法なのか。また、18歳までペーパーテストのためだけの勉強に費やすことが本当によいのか」と話し、求める学生を国内外から「発掘」する新たな入試制度を実現する考えを示した。

具体的には、従来各学部が実施している一般入試、推薦入試、AO入試の改革を進めることに加え、学部から独立した「入学者選抜オフィス」(仮称)を2 0 1 3 年に設け、「求める学生を国内外から発掘し、積極的に獲得する方式」を4 、5 年以内にまず小規模で始めることを目指す。早稲田大では、外国人学生の受け入れのために海外の高校に出向いてスカウト活動を行っており、同様に国内の高校生を発掘する制度を考えているようだ。

2013年度から1年を4学期に分けて授業を展開する「クォーター制度」も導入する。当面は一部の科目の実施にとどまるが、学生があるクォーター(四半学期)に、海外留学をしたり、ボランティア活動をしたりしやすくする狙いがあるという。

また、教育の質を上げるために、現在の学部学生数4万4千人を20年後までに3万5千人に減らす計画も明らかにした。ただ、当面入学定員を減らすことはせず、留年生や定員を上回る合格者を減らすことなどで在籍数を減らしたいという。早稲田大の改革の方針は、同大のサイト(http://www.waseda.jp/jp/news12/121115_v150.html)に掲載されている。