「SexyZone」のメンバーとして、歌手、俳優と多方面で活躍する中島健人さん。高校生のころも芸能活動で多忙を極めていたが、授業や学校行事、クラスメートとの交流を大切にしていた。高校2年生の時に東日本大震災を経験したことで、大学進学を決めたという。中島さんに高校時代を振り返ってもらった。(中田宗孝)

修学旅行「満喫し過ぎた」

高校時代、学業と芸能活動を両立していた中島さん。朝に学園ドラマの撮影を終えてから登校する日々を「2つの高校に通っていたみたい」と振り返る。「撮影現場ではクラスの女子に『好きだー!』と告白したのに、学校では何事もないように普段通り授業を受けている自分……。ちょっと不思議な気持ちでした」

芸能活動がどんなに忙しくても、授業に間に合えば残り5分でも10分でも必ず出席した。「友達と同じ時間を過ごすことも大事にしたかったんです」。学校行事を全力で楽しみ、修学旅行の夜は「満喫し過ぎて、寝るのが誰よりも遅かった」と笑う。「皆さんも『面倒くさい、ダルい』なんて思わず、一生に一度しかない学校行事で最高の思い出をつくって!」

社会学部で情報発信学ぶ

大学へ進学するか迷っていた高校2年生の時、東日本大震災を体験した。停電や断水が続く中、情報が錯綜(さくそう)して不安を感じると同時に、情報がどのように発信・伝達されるのか気になった。「正確な情報を早く伝えるためにはどうすれば良いか、何か改善することはないかと思ったんです。僕は何も知らなかった。だから大学で情報発信の基礎を学ぶことを決意しました」

高校卒業後は明治学院大学社会学部に進学。メディア社会論などの講義を受けて知識を深め、メディアが伝える情報には優先順位があることを知った。「優先度の低い情報は発信が遅れます。でも届ける情報の一つ一つが〝濃い内容〟であれば、受け手の不安は和らぐはず」

ピアノの腕前を披露

主演映画「心が叫びたがってるんだ。」の約1カ月半の撮影では「高校3年間の青春をまた経験できた」という。ミュージカルに挑む高校生・拓実を演じ、劇中では小学2年から始めたピアノの腕前を披露。ベートーベンの「悲愴(ひそう)」など、名曲を数多く演奏する。「僕は強弱記号がピアニシモ(とても弱く)からフォルテ(強く)になるほど力強く演奏するタイプ。ですが、撮影では肩の力の抜けた、緩やかな音を響かせる〝拓実の音〟を奏でようと意識しました」

中島健人さんのインタビューを写真入りで掲載した「高校生新聞7・8月合併号」はこちらから購入できます!

『心が叫びたがってるんだ。』
 地元イベントの実行委員に任命された高校3年生の拓実(中島健人)。ある理由で他人と話せなくなった順(芳根京子)や、元恋人の菜月(石井杏奈)たちとミュージカルに挑戦する。大切な人に好きと言えない若者たちがミュージカル上演を目指す中で、素直な気持ちを伝えていく青春ムービー。7月22日から全国ロードショー。(配給:アニプレックス)
Ⓒ2017映画「心が叫びたがってるんだ。」製作委員会
Ⓒ超平和バスターズ

 
なかじま・けんと
 1994年3月13日生まれ。東京都出身。2011年、5人組グループ「Sexy Zone」のメンバーとしてCDデビュー。俳優業では、13年にドラマ「BAD BOYS J」で初主演を飾る。主な出演作は、映画「銀の匙 Silver Spoon」、「黒崎くんの言いなりになんてならない」ほか。