ナレーションの録音を見守る吉田さん(左から2人目)

第64回NHK杯全国高校放送コンテストが7月25日から27日まで開催される。静岡・浜松市立高校放送部は、県大会を突破してアナウンス部門など5部門での出場を決めた。昨年はラジオドキュメント部門で優勝した強豪だ。

先輩の手紙が支え

今回、ラジオドキュメント部門には、部員の吉田るきさん(3年)ら3人で制作した「We love 歴史!」を出品する。歴史が大好きな主婦たちで結成した「浜松歴女探検隊」のあるメンバーの活動にスポットを当てる人物ドキュメントだ。

昨年、優勝した番組は、先輩が作った。「今度は自分たちの番。良い作品を作って結果を残さないと……」(吉田さん)。重圧を感じる中、優勝作品を手掛けた先輩が引退時、吉田さん宛てに送った手紙の一文を思い出した。「自分の中の1番の番組作りを目指して!」。心の中のモヤモヤがすっと吹っ切れた。「他の作品と出来栄えを比べるよりも、まずは自分が納得する作品に仕上げようと思い直しました」

声の収録にこだわり

地元・浜松市にゆかりある女城主・井伊直虎の魅力をイキイキと語る声の収録に神経を注いだ。「取材相手のすてきな声を引き出すために、何度も取材を重ねてお互いの距離を縮めました」。6回にわたる録音作業を経て、聞き手の想像力をかき立てる、イメージ通りの声で番組を作ることができたという。(中田宗孝)