「世界を変えるアイデア」をテーマに、高校生が研究に挑戦するプログラム「サイエンスジャム」(グーグル主催)の発表会が11月14日、東京で開かれた。全国から20校、30チームが参加。地元の絹産業を盛り上げる研究に取り組んだ群馬・樹徳高校理科部の3人がグランプリを獲得した。
絹産業応援する研究を
各チームは、大学生や大学院生のサポートを受け、3カ月かけて研究を進めてきた。
桐生織で知られる桐生市にある樹徳高校のチーム「ぐんま200班」のテーマは「色繭(まゆ)とこんにゃくシルク」。「絹産業を応援しよう」と養蚕を研究テーマにした。
蚕の人工飼料に染料を加えて色付きの生糸を作る実験や、人工飼料に群馬のこんにゃく飛粉(とびこ)(こんにゃく製造で出る不要部分)などを加えてコストを下げる実験を成功させた。作った生糸は、強度や光による劣化への耐性の向上も見られたという。
蚕半減のピンチも乗り越え
研究の途中では、育ててきた蚕の半分が死んでしまうアクシデントもあったが、別の蚕を使って乗り切った。授業外の時間や休日を使って、餌やりや実験、発表準備などに取り組んだ。桒原一峻君(2年)は「誇れる成果が出ました。この3カ月、忙しかったけれど充実していた。研究を続けるには熱意が大切と学びました」と話した。
◆ほかの表彰チームは次の通り。
日本科学未来館賞
東京・目黒学院高校「リバネス科学部」
KEK賞
福島成蹊高校「チームI」
JAXA審査員賞
和歌山・桐蔭高校「とびばと」
Google賞
東京・広尾学園高校「環境化学チーム」
特別賞
茨城キリスト教学園高校「世界のあくび」