全国高校総体陸上男子1500mで優勝した遠藤日向(中央)

全国高校総体(インターハイ)陸上の男子1500メートル決勝が7月30日に岡山市のシティライトスタジアムで行われ、遠藤日向(福島・学法石川3年)が3分47秒75で優勝した。(文・小野哲史、写真・幡原裕治)

世界ジュニアの疲労「きつかった」

ポーランドでの世界ジュニア選手権から帰国し、わずか3日で迎えた大会だった。前日の予選は「疲労もあって本当にきつかった」と遠藤は振り返ったが、決勝はハイペースでなかったことも奏功し、「1200メートルぐらいまでは楽に通過できました」と話す。常にトップを走る選手の脇にポジションを取り、残り200メートルから切れ味鋭いスパートでライバルたちを振り切った。「1人が最後までついてきたので、まずいと思ってもう一回ギアチェンジしました。そこで離せたので勝ったと確信しました」

全国高校総体陸上男子1500mで優勝した遠藤日向

次は5000m「2冠」と「24年ぶり」見据える

6月の日本選手権では、予選で高校歴代4位となる3分45秒58をマーク。決勝でも4位に食い込み、12年ぶりに高校生での入賞を果たした。今季はインターハイでの1500メートルと5000メートルの2冠達成を見据え、「スピードに特化しつつ、どちらでも生かせる練習をしてきました。去年よりはパワーアップしたと思います」と胸を張る。

まずは1冠を手にし、次に挑む5000メートルはケニア人留学生が昨年まで23連覇を続けている種目だ。「将来はオリンピックのトラックでメダルを獲れるような選手になりたい」と話す遠藤にとって、昨年と同じ「日本人トップ」という結果では満足いかないだろう。その視線は、日本人として24年ぶりとなる優勝と、高校記録更新へと向いている。