全日本バレーボール高校選手権(春高バレー)に8年連続9度目の出場を決めた大和南。県予選の決勝では全国高校総体(インターハイ)を制した橘を接戦で下し、チームは波に乗っている。 (文・写真 東憲吾)

10月のバレーボールユースアジア選手権で活躍した白井美沙紀(1年)=大阪・貝塚二中出身=を擁する大和南。1年生エースの活躍が話題に上ることが多いが、今季のチームを支えているのは3年生に他ならない。

9月の地区大会でメンバー入りを果たせなかった3年生4人が、引退せずにチームに残り、サポート専任メンバーとして部を支えている。宮地志帆(3年)=神奈川・引地台中出身=は、「バレーをしたい気持ちはあるけど、コートの外からでも勝利に貢献できる」と、練習中の球拾いに精を出す。練習試合では審判を務めることもある。「悔しい気持ちはあるけれど、最後まで逃げ出さずにチームの一員でいたかった。みんなのために、今はコートに立つ以上に大事な仕事をしていると思います」と、胸の内を明かした。

主将の斉藤佳奈(3年)=東京・鉢山中出身=は「サポートメンバーのためにも春高で優勝する」と言い切った。「3年生中心でチームの一体感を高めて、全員で勝ちにいきます」(斉藤)。エースの白井は「先輩たちのおかげで自分のプレーができている。それを忘れずに、アジア選手権での経験を思い切りぶつけたい」と意気込んだ。全部員33人の心はまとまった。全国初制覇に向けての準備は万端だ。

【TEAM DATA】
1977 年創部。部員33 人(3年生8人、2年生12 人、1年生13 人)。バレーボール部を強豪に育て上げた飯塚博幸前監督の勇退に伴い、2011年から井上和昭監督が指揮を執る。チームのモットーは「気を出せ」。

大会データ 第65 回全日本バレーボール高校選手権(1月5日~ 13 日 さいたまスーパーアリーナほか)