向の岡工業高校電気科3年生の紅一点である大澤瑞紀さん。入学直後から放送部の活動や学校の課外授業、資格取得に積極的に取り組んできた。
(文・写真 山口佳子)

ジュニアマイスターを目指す

史上最年少で3級プリント配線板製造技能士の資格に合格したのは1年生の時。きっかけは、企業での2日間のインターンシップだった。当時2年生の先輩5人と一緒に、1年生でただ一人参加。企業の技術者に指導を受けながら、自分たちが学校の実習で使うプリント基板約300枚を製造し、資格に興味が沸いた。
 大澤さんがこれまでに取得した資格は4つ。6月には新たに3資格を受験する。「本来はナマケモノ」と自己分析する大澤さんだが、「(先生から)資格に挑戦するようにと勧められると断れないんです」と苦笑する。
 当面は、多くの資格に合格してジュニアマイスターシルバーを取得するのが目標だ。「ゴールドも夢ではない」と、1年生の頃から大澤さんを見てきた石井哲夫先生は期待する。

放送部で全国大会に出場

放送部の一員として校内イベントや講演会などの司会も担当する。毎年、NHK杯全国高校放送コンテストの校内放送研究発表会に参加。部のメンバーとともにバッテリーシステムを製造し実演するなど工業高校らしい発表を行い、1年生の時に全国大会に出場した。昨年の全国大会は体調を崩し部員に発表を委ねたが、「今年は発表者として全国大会の壇上に立ちたい」と意欲を燃やす。
 入学当初は就職を希望していた大澤さんだが、リポート作成などで友人に頼られることも多く、「工業高校で教えることも楽しそう」と、大学進学を考えるようになった。放送部の活動や資格の勉強に受験勉強も加わり、ますます忙しくなりそうだ。

ジュニアマイスター顕彰制度

将来の仕事や学業に必要と考えられる国家職業資格や各種検定、および各種コンテストの入賞実績を点数化した制度。30点以上に『ジュニアマイスターシルバー』、45点以上に『ジュニアマイスターゴールド』の称号が贈られる。

 

【写真説明】
上:プリント配線板を製造する大澤さん。銅版の穴と配線図がプリントされたフィルムをきちんと合わせるのがポイントだ。
下:最年少で取得した3級プリント配線板製造技能士の合格証書を持つ大澤さん。