宮城県工業高校(宮城)情報技術科の菅原敏夫君(3年)は、昨年8月、「第13回若年者ものづくり競技大会」(中央職業能力開発協会ほか主催)に出場して金賞を獲得。ロシアで開催される「技能五輪国際大会」に挑む。工業系の部門で高校生が日本代表に選ばれたのは初の快挙だ。

国内大会のソフトウェア開発部門で快挙

菅原敏夫君は昨年の若年者ものづくり競技大会で金賞を獲得(学校提供)

若年者ものづくり競技大会は、世界の青年技能者がCADや自動車整備などの職種別に技の日本一を競い合う「技能五輪」のユース大会に当たる。菅原君は、課題として出題されたソフトウェアを正確に開発する「業務用ITソフトウェア・ソリューションズ」部門で見事、金賞(厚生労働大臣賞)に輝いた。「程よい緊張感で大会に臨めたことが結果につながりました。プログラミングの設計も自分の思い通りに進められた」(菅原君)

授業と部活で技術磨く

 高校入学後から授業でプログラミングを学んだ。「自分が実現したいことをプログラミングできた時に大きな達成感がある」と、のめり込んだ。放課後は、情報研究部の部員として、より専門的なプログラミング技術の習得に励んでいる。部では2~3㌔のランニングが週3回設けられ、長時間のPC作業と向き合うための体づくりも行う。「入部当初より走行タイムを更新しているんです」と、体力の向上を実感している。

自分の力を信じて

昨年11月の技能五輪アジア大会に参加した(学校提供)

国際大会本番に向け、昨年11月には腕試しを目的とした「第1回技能五輪アジア大会」(アラブ首長国連邦開催)に出場。出題された課題はすべて英語で、日本の大会との雰囲気の違いも驚いたという。「まずは言語の壁。通訳の方がどんな課題か説明してくれますが、競技中は自分一人で英語の課題を理解しないといけない。使用するキーボードは海外仕様なので、若干扱いづらいんです」

 本番に向けて「課題を誤読しないように英語の勉強もしています。技能五輪国際大会では、自分の力を信じて正々堂々、戦いたい」と意気込みを語った。(中田宗孝)