「迎春」の文字を力いっぱいに書く部員
 

茨城・水戸第二高校書道部の1・2年生29人が1月4日、茨城空港で書道パフォーマンスを披露した。音楽に乗って大小さまざまな筆を振るいながら、福や春を想起させる4作品を作成。作品が展示された空港ロビーは、新春の華やかな雰囲気に包まれた。
(文・野村麻里子、写真・幡原裕治)

袴姿で登場した部員は、インクをたっぷりと含んだ大筆を操った。表れたのは、今年の干支「鳥」の字だ。続いて「迎春」、漢詩の「立春後五日」、「笑う門には福来る」のメッセージを、嵐やPerfumeの曲、和風の音楽に合わせてそれぞれ書き上げた。

 

大筆は体ごと動かす

使った紙は、幅4メートル高さ3.5メートルと巨大。墨や白、赤のインクを用いた迫力ある筆さばきに、空港の利用者が立ち止まって見入り盛大な拍手が起こった。4人で一斉に鶴の絵を描いたり、インクで枯れ木に花を咲かせたりするなどの工夫も目を引いた。

本番に向けて、昨年12月中旬から新聞紙を使って練習を重ねてきた。部長の髙橋凜さん(2年)は「(大筆は)墨をつけるととても重い。手ではなく体ごと動かす。パフォーマンスする時は運動部のつもりで書いている」と話す。

字を書くことよりも、音楽と合わせることが難しいという。全員が自分自身の満足する字を書いて、かつ息を合わせるのが良いパフォーマンスをする秘訣(ひけつ)だ。「みんなが周りを見て自分に足らないものに気づき、相手にアドバイスできることが大切」(髙橋さん)

 部活データ  部員38人(3年生9人、2年生20人、1年生9人)。全国高校総合文化祭に5年連続推薦。展覧会期間以外の活動日は週3日。経験者ばかりではなく、高校から書道を始めた部員も活躍している。