コートの至る所から素早く攻撃を仕掛ける。まさに変幻自在ともいうべきコンビバレーを武器に、1月の全日本高校選手権(春高バレー)で、昨秋の国体に続いて準優勝。胸を張るべき結果だが、主将の加藤克貴(3年)=大阪・端光中出身=は達成感よりも悔しさをにじませる。「絶対勝ちたかった。そのための練習もしてきたし、自信もあったので……」 優勝は、3冠を達成した星城(愛知)。大塚にとっては一番のライバルであり、合宿を共にする仲間でもあり、手の内を知り尽くしている。だが、エースの石川祐希(2年)=愛知・矢作中出身=を止められなかった。
「悔しい経験をした分、もっと強くなる。来年こそ、やってくれると信じています」。次こそはリベンジを。加藤は誰よりも強く、そう願っている。(文・田中夕子、写真・幡原裕治)